うつ病からの復職が怖い…職場復帰の流れや準備を専門家が解説

「うつ病が回復してきたけれど、復職するのが怖い」「うつ病の自分が復職したら、職場の人たちに迷惑と思われるのではと不安」などとお悩みの方は多いものです。

なかには、職場に迷惑をかけるくらいなら退職したほうがよいのではないかと考える方もいます。

このような方に向けて、この記事ではうつ病の方が復職する際の流れや準備しておいたほうがよいことについて専門家がわかりやすく解説します。

記事の終盤では、うつ病からの復職が怖いと感じるときの相談先と専門家からのアドバイスについても掲載します。ぜひ最後までご覧ください。

執筆者

桑鶴えみ(くわづる えみ)さん

臨床心理士・保健師・看護師。看護大学卒業後、病棟勤務を経て、企業内の健康相談室やメンタルヘルス・ハラスメント相談室にて相談業務に従事。その後、大学院で臨床心理学を学び、臨床心理士を取得。現在、医療機関が運営するリワークプログラムの所長を務め、プログラム運営や相談業務に従事している。専門は働く人のメンタルヘルス、復職支援。

目次

うつ病で復職する流れ|厚生労働省の指針より

うつ病の方が復職する流れは、会社側の制度により異なりますが、厚生労働省が作成した事業場向けマニュアルである「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」に準じて、職場復帰の制度を設けている企業が多いものです。

ここでは、前述の手引きに沿って、うつ病の方が復職する際の流れについて紹介します。

うつ病の方が復職する際の流れは以下のとおりです。

  1. 主治医による職場復帰可能の判断
  2. 職場復帰の可否の判断と職場復帰支援プランの作成
  3. 最終的な職場復帰の決定
  4. 職場復帰後のフォローアップ

それぞれのステップについて、紹介します。

1.主治医による職場復帰可能の判断

うつ病で会社を休職している方が主治医から復職してよいと言われたら、まず以下の2つを行いましょう。

  • 主治医による職場復帰可能の判断を会社関係者に伝える
  • 就労可能の旨が記載された診断書または意見書を会社関係者に提出する(詳細は会社側に要確認)

誰に連絡したらよいかわからない場合は、会社の上司や産業保健スタッフなどに連絡しましょう。診断書や意見書の提出が必要な場合は、指定のフォーマットがあるか確認するとスムーズです

診断書や意見書の発行は健康保険が適用されないため、3,000〜6,000円程度の費用がかかります。

2.職場復帰の可否判断と職場復帰支援プランの作成

次のステップでは、会社側が職場復帰の可否を判断し、職場復帰支援プランの作成を行います

会社側には「安全配慮義務」が課されているため、復職する際には従業員が安全に業務に従事できる状態まで回復しているかを会社側の視点で判断しなければならないのです。

そのために、産業医面談や人事や上司による面談を実施するのが一般的です。会社によっては「リハビリ出勤」や「通勤訓練」などを行い、復職できる状態か否かを確認するケースもあります。

3.最終的な職場復帰の決定

前述のプロセスを経て、会社側が最終的な職場復帰の可否を決定します

職場復帰の決定で行う内容は以下のとおりです。

  • 状態の再確認
  • 就業上の配慮などに関する意見書の作成(産業医)
  • 事業者による最終的な職場復帰の決定(本人への通知も含む)
  • 主治医へも通知する(本人経由)

職場復帰が決定すると、具体的な出勤日や就業場所、入館方法などについて上司などから指示され、いよいよ出勤日を迎えます。指示されなかった場合は、上司に連絡して出勤初日の段取りを自分から確認しておくと安心でしょう。

4.職場復帰・職場復帰後のフォローアップ

復職後もスムーズな職場適応を支援する目的で、上司や産業医・産業保健スタッフなどによるフォローアップを行うことが推奨されています

復職した直後には、再休職予防のために産業医が残業禁止・出張禁止などの就業制限を指示して、徐々に制限を解除していくケースが多いものです。一般的には、これらの就業制限が完全になくなるまで産業医と面談し、経過観察を行います。

しかし、どの程度フォローアップを行うのかについては会社によって千差万別であると言えるでしょう

このように、程度の差こそあれ、定期的に職場復帰支援プランの見直しを行い、継続的なフォローアップをすることが推奨されています。

うつ病からの復職が怖い方が準備したほうがよいこと

厚生労働省の「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」によると、復職する際には、以下のような状態になっていることが求められます。

復職の判断基準の例
  • 労働者が十分な意欲を示している
  • 通勤時間帯に一人で安全に通勤できる
  • 決まった勤務日、時間に就労が継続して可能である
  • 業務に必要な作業ができる
  • 作業による疲労が翌日までに十分回復する
  • 適切な睡眠覚醒リズムが整っている、昼間に眠気がない
  • 業務遂行に必要な注意力・集中力が回復している  など

ここからは、うつ病により休職し、復職するのが怖いと感じる方が準備しておいたほうがよいことについて、解説します。

1.規則正しい生活リズムを整える

自宅療養の状態から復職するためには、定められた就業時間に勤務し、安定した状態で業務に従事できる状態になる必要があります。そのために、遅刻をせずに出勤できるよう、規則正しい生活リズムを身につけることが重要です

フレックス制度やリモートワークなどがある会社でも、復職して間もない時期には定時での出勤を求められたり、産業医から生活記録表の提出や通勤訓練を指示されるケースが多いものです。それに備えて、出勤時と同じ就寝時刻・起床時刻で生活できるように準備しておくとスムーズです

2.集中力を必要とする作業や運動に取り組む

復職のためには、一定時間、集中力・思考力を維持して作業できることが求められます。また、通勤や業務に耐えうる体力も必要です。

それらを回復させるために、症状が回復してきたら徐々に以下のような活動に取り組むのがおすすめです

  • ラジオ体操や散歩などの運動
  • 読書(興味のある書籍や雑誌など)
  • 計算問題や漢字の書き取り
  • 新聞の転記や要約 など

自宅作業ができるようになったら、通勤練習の意味も込めて、午前中に近所の図書館やカフェなどで作業するのも効果的です。

3.発症要因の分析をする

部署異動などの環境変化は大きなストレスになると考えられているため、厚生労働省作成の事業者向けマニュアルに基づき「原則元の職場に復帰する」といったルールを定めている企業が多いものです。

しかし、過重労働や対人関係などが要因でうつ病を発症したケースでは、対策を講じないと同じようなパターンに陥り、再休職してしまう可能性が高まります。

休職に至った経緯を振り返り、発症要因を見つめなおして、自分に合った対処法を身につけることができれば、再休職のリスクを大きく減らすことができると言われています

発症要因を振り返るときには、環境要因だけでなく自分側の要因についても振り返ることが重要です。

4.うつ病の症状への治療や対処法を学ぶ

うつ病の一般的な症状について理解するとともに、不調のサインについても把握しておくとよいでしょう。うつ病では、不調のサインが精神的な症状だけでなく、身体症状や行動にあらわれることもあります。これは、人それぞれ異なるものです。

うつ病の症状と対処法について学び、実践することで自分にとって有効な対処法を見つけることができます。

再休職予防のためには、自分に合った治療を受け、自分が効果を感じられるセルフケアや症状への対処法を実践することが大切です

うつ病の再発リスクを下げるために気をつけること

うつ病は再発しやすい病気です。厚生労働省の報告によると、うつ病の再発率は約60%と言われています。再発し、2回うつ病にかかった方の再発率は約70%、3回うつ病にかかった方は約90%と繰り返すほど再発率は高くなるのです。

だからこそ、うつ病の治療やリハビリにおいて、再発予防に取り組むことが非常に重要な課題であると言っても過言ではないでしょう。

ここでは、うつ病の再発リスクを下げるために気をつけることについて紹介します。

1.具合が悪くなるときのサインや症状の特徴を把握する

うつ病の再発リスクを下げるためには、自分の症状をモニタリングして調子が悪くなる前兆(サイン)をとらえ、早めに対処することが重要です

しかし、実際に体調を崩したときの症状を思い出そうとしても、「突然動けなくなってしまった」と感じている方もいます。

休職する直前だけでなく、数か月〜1年くらい前まで遡って心身の状態や行動の変化などを思い出してみると、自分では症状とは思っていなかったような些細な変化が、具合が悪くなるときのサインだったと気づく方もいます。

そのために自分の症状悪化のサインを把握してモニタリングすることで症状悪化のサインに早めに気づき、適切な対策を講じられると症状の悪化を防ぐことができるのです。

2.症状がなくなってからも薬を服用する「維持療法」を行う

うつ病や双極性障害などの治療では、症状がなくなってからも薬を服用し続ける「維持療法」を行うのが一般的です。

日本うつ病学会の治療ガイドラインにもその効果と必要性が記載されており、症状がなくなったあとも維持療法を行うことが推奨されています。さらに維持療法と併用して認知行動療法などの心理療法を行うとより効果的であると記載されています。

うつ状態による症状がなくなるとすぐに通院治療をやめてしまう方がいますが、これは再発のリスクを高める非常に危険な行動です

うつ病の再発を予防したい方は、しっかりと維持療法を行うことがもっとも重要です。薬を減らす場合にも主治医に相談のうえ、段階的に薬の量を減らしていくと安全でしょう。

3.環境要因だけでなく自分側の要因も見つめなおす

同じ職場に戻るとしても、再発しないように自分を守る術を一つでも多く身につけることが大切です。そのために休職に至った経緯を振り返り、休職要因を見つめなおす「自己分析」を行うことが効果的であると言われています

現代の日本では復職する際には、ストレスとなる変化を減らす目的で「原則元職場へ復帰」と定めている職場が多いのが現状のため、異動希望を出したとしても叶わないことが多いと言われています。

しかし、同じ職場に戻ると、同じようなパターンが繰り返されて再休職してしまうケースもあるため、自己分析が必要となるわけです。

ただし、休職前のことを思い出すと具合が悪くなる場合もあるため、主治医の許可をとり、専門家による指導のもとに行うのが安全でしょう

4.自分に合った再休職予防策を身につける

次に大切なポイントとしては、自分に合った再発予防策を身につけることです。

世の中にはうつ病の回復や治療によいと言われている方法に関する情報があふれています。

しかし、自分に合わないものを実践し続けると、症状が悪化してしまうこともあるため、しっかりと自分の特徴を理解して自分に合った対処法を見極めることが重要です。

具体的には、自分がどのようなことをストレスに感じやすいのか、どのようなときにどのような対処法を行うと効果的なのかを実践しながら見つけていくとよいでしょう

再発予防策の効果を見極めるためにも、症状のモニタリングを実践し、対処法を行う前後でどのような変化があるのかを観察するのがおすすめです。

うつ病からの復職が怖いときに専門家に相談するメリット

「うつ病からの復職が怖い」「同じ職場に戻ったら再休職するかもしれない」「職場に迷惑をかけてしまうのではないか」などとうつ病により会社を休職した方が復職が怖いと感じる場合は、一人で悩んでいても楽にならないことが多いものです。

そんなときに頼れる専門家がいるのをご存知でしょうか。うつ病から復職するのが怖いと感じている方は、ぜひ専門家に相談しましょう。

ここでは、専門家に相談するメリットについて解説します。

一人で復職の準備をするよりも安心感がある

うつ病からの復職が不安な方は、一人で復職の準備をしていてもなかなか自信を持てず、悩んでしまうことが多いものです。

専門家に相談しながら復職の準備を進めると、自分を信じられないと感じる方でも、専門家を信頼できれば「〇〇さんがこう言っていたから大丈夫」と間接的に自分自身の取り組みを信じられるようになり、安心感を得ることができます。

また、専門家は多くの事例を経験しているので、しっかりと相談できれば安心してリハビリを進められるでしょう

うつ病に対する専門的なケアを受けられる

「餅は餅屋」と言われるように、うつ病に関しては精神科医などの精神科・心療内科での勤務経験のある医療従事者がもっとも詳しい分野です。

確かに自分で病気のことを調べて対策を講じるのも大切ですが、精神科医や公認心理士・臨床心理士などの心の専門家に相談し、適切な診断を受けて自分に合った治療やサポートを受けることがすべての基本です。そのうえで、自分に合った対処法を身につけることができると、効率的に再休職予防を実現できるでしょう。

回復途上で調子を崩したときもサポートしてもらえる

うつ病の回復期は三寒四温と表現されるように、良くなったり悪くなったりするのを繰り返しながら、全体として快方に向かうことが多いと言われています

しかし、うつ病や双極性障害などの心の病を患っている方は、この回復期にあらわれる気分の波に一喜一憂してしまう方が非常に多いのが特徴です。

このように、回復途上で調子を崩したときにも継続的に相談している専門家がいれば、自分に合ったアドバイスをもらえるので、大きな安心感につながります。

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うつ病からの復職で不安に感じる点についても、公認心理士などの専門家に匿名で相談できます。つらくて不安な気持ち、1人で抱え込まずにまずはお気軽に相談してみませんか?

うつ病の復職が怖いときの相談先

今まで紹介してきたような対策を自分で実施したとしても、うつ病からの復職が怖いと感じる方は、専門家に相談するとよいでしょう。

幸い日本には、うつ病や双極性障害などの心の病で会社を休職した方を対象とした復職支援を専門にしている「リワークプログラム」があります

ここからは、うつ病からの復職が怖いときの相談先として、リワークプログラムを実施している施設について紹介します。

リワークプログラムは運営主体によって、以下の3つに分けられます。

  • 精神科医療機関(医療リワーク)
  • 障害者職業センター(公的リワーク)
  • 福祉施設(福祉リワーク)

【リワークプログラムの種類と特徴】

医療リワーク職リハリワーク福祉リワーク
運営主体精神科医療機関独立行政法人高齢・障害・求職支援機構就労移行支援事業所
(福祉施設)
プログラムの質◎〜◯
・専門性が高い
・日本うつ病リワーク協会の認定施設は、特に質が高い

・標準化された内容
・職場との連携がスムーズな点が特長
◯〜△
・施設により差が大きい
医師・有資格者のスタッフの配置状況
・必ず医師が常駐
・有資格者のスタッフのみ

・医師の配置義務なし
・一部、有資格者スタッフが勤務
◯〜△
・医師の配置義務なし
・無資格のスタッフも勤務可能
費用面
・健康保険や自立支援制度を利用すると原則1割負担に軽減

・利用料は無料

・原則、利用料が無料
・交通費や昼食代も無料になることもある
参加のしやすさ◎〜◯
・受け入れ可否は
施設側が判断する
◯〜△
・都道府県に1か所以上設置されている
・待機期間がある
・公務員は利用不可
◎〜◯
・受け入れ可否は
施設側が判断する

それぞれの特徴について解説します。

精神科医療機関が運営するリワークプログラム「医療リワーク」

最初に紹介するのは、精神科医療機関が運営しているリワークプログラムです。

医療リワークの特徴は以下のとおりです。

  • 医師など有資格者によるサポートが受けられる
  • 就労継続率など再休職予防のエビデンスを公開している施設がある
  • 双極性障害や大人の発達障害などの心の病も対応可能
  • 専門家のサポートを受けながら段階的なリハビリを受けられる
  • 健康保険や自立支援医療制度を利用して費用負担を軽減できる

医療リワークの最大のメリットは、医師や有資格者のスタッフによる専門的なサポートを受けられる点でしょう
特に日本うつ病リワーク協会の認定施設は、各施設のホームページにプログラムの効果に関するデータを掲載しているため、安心できます。

気になる方は、日本うつ病リワーク協会のホームページから全国各地にある医療リワークを調べて問い合わせしましょう。

障害者職業センターが運営するリワークプログラム「職リハリワーク」

次に紹介するのは、公的機関である障害者職業センターが行うリワークプログラムです。

職リハリワークの特徴は以下のとおりです。

  • 参加期間は3〜4か月
  • 無料で利用できる
  • 会社側と連携してリハビリのプランを立ててくれる
  • 医師は常駐していない
  • 無資格のスタッフが勤務している場合がある
  • 利用希望してもすぐに利用できないこともある

リワークプログラムを開始する際に、ご本人・職場関係者・障害者職業センターの三者で打ち合わせを行い、職場復帰支援プランを決定しリハビリを行います

また、利用開始までに数か月の待機期間があるケースもあります。参加希望の場合には、早めに情報収集をしておく必要があるでしょう。

全国にある障害者職業センターはこちらから探すことができます。

福祉施設が運営するリワークプログラム「福祉リワーク」

最後にご紹介するのが、福祉施設が行っているリワークプログラムです。

元来、就労移行支援事業所などの福祉施設は、主に障害者手帳を取得した方の就労支援を行ってきました。しかし、近年では、リワークプログラムを運営する施設が増えています。

福祉リワークの特徴は以下のとおりです。

  • 費用負担が少ない(交通費や昼食代が無料の施設もある)
  • プログラムの期間は施設によって異なる
  • 医師が常駐していない
  • 無資格のスタッフが勤務している場合がある
  • 就労継続率が公開されていないことが多い
  • 就労経験のない利用者が多い場合はプログラム内容や雰囲気に違和感を感じるケースがある

なかには熱心に復職支援に取り組んでいる施設もあるため、見学や体験利用時に上記について確認し、慎重に利用を検討するのが得策でしょう

うつ病からの復職は迷惑?不安な方へ専門家からのアドバイス

うつ病の方が復職する際に、職場に迷惑がかかってしまうのではないかと不安になり、退職を考えたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし一方では、うつ状態のときに退職などの重要な決断をするのは避けたほうがよいと言われているのも事実です。

「それではどうしたらよいの?」「復職して迷惑はかけたくないけれど、いきなり転職するのも不安」といったようにうつ病からの復職が不安な方に向けて、専門家がアドバイスします。

退職はいつでもできる!復職して会社に貢献することが恩返しになる

うつ病などの心の病で休職した方であっても、適切な治療を受け、リワークプログラムなどのしっかりとしたリハビリを行えば、再休職予防の効果が期待できます。

このような状況で、すぐに退職を決めるのはもったいないと言えるでしょう。退職はいつでもできますが、一度退職してから元の職場に戻ることはできません

復職して再び会社に貢献できるようになれば、恩返しできると考えるのも一つの方法です。一般的に新しい人材を採用して教育するほうが多くのコストがかかるので、勤務経験のある従業員が復職し、再度活躍してくれるほうがありがたいと語る人事担当者の方も多いものです。

焦って復職してすぐに再休職してしまうと迷惑がかかることが多い

うつ病で休職した方は、「早く職場に戻らないと自分の居場所がなくなってしまう」「職場にこれ以上迷惑をかけてはいけない」などと強い焦りを感じ、時期尚早なのに復職を申し出ることがよくあります。

復職する際には、会社側も時間と労力をかけて受け入れ体制を整えるケースが多いものです。よって、復職してすぐに再休職してしまうと、職場の人々に迷惑がかかってしまいます

こういった理由から、無理せず焦らずにしっかりと治療・リハビリを実施してから復職するように主治医や産業医がアドバイスすることが多いのです

しっかりリハビリをして安定就労できれば迷惑にはならない

うつ病で休職中の方には、「休職前と同じように働ける自信が持てない」「復職したら迷惑をかけてしまう」と不安に感じる方が多いのではないでしょうか。

いきなり休職前と同じように働こうとしても難しいのは当然です。

だからこそ、これまでご紹介してきたような復職支援の体制づくりが推奨されているのです。

うつ病の治療と適切なリハビリを行うことにより、再休職せずに安定就労できるようになるのであれば、あなたの復職は迷惑どころか会社側にとって嬉しいことと言っても過言ではないでしょう

まとめ|うつ病からの復職が怖い方は専門家に相談しよう

この記事ではうつ病により休職した方が復職する際の流れや準備しておいたほうがよいこと、うつ病からの復職が怖いと感じるときの相談先と専門家からのアドバイスについて紹介しました。

また、うつ病からの復職が怖い方は、一人で思い悩み、復職せずに退職を選んでしまうケースも少なくありません。しかし、心の専門家のサポートやリワークプログラムなどの適切なリハビリを受けて復職し、長く働き続けている方は意外と多いものです。うつ病からの復職が怖い方は、一人で悩まずに専門家に相談しましょう

▼公認心理士など心の専門家が多数在籍。匿名で相談できる「悩ミカタ相談室」

<参考>
厚生労働省・独立行政法人労働者健康安全機構(2020). 改訂 心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き〜メンタルヘルス対策における職場復帰支援〜
日本うつ病学会(2016). 日本うつ病学会治療ガイドライン II. うつ病(DSM-5)/大うつ病性障害 2016
厚生労働省地域におけるうつ病作成検討会(2004). うつ病対応マニュアルー保健医療従事者のためにー
五十嵐良雄(2018). うつ病・躁うつ病で「休職」「復職」した人の気持ちがわかる本. 講談社
秋山剛(2013). うつ病の人の職場復帰を成功させる本 支援のしくみ「リワークプログラム」活用術(健康ライブラリーイラスト版). 講談社
独立行政法人法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)ホームページ

<関連記事>うつ病や適応障害など、心の不調と関連するお悩みについてはこちらの記事でも紹介しています。

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