「自分の価値を見出せず、日常的に自己嫌悪の感情に苦しんでいる」
「過去の経験や失敗に対する罪悪感や恥から自己嫌悪の感情を抱えている」
上記のように、「自分が嫌いだ」と感じる瞬間は誰しもあるはずです。
結論として、過去のトラウマやメンタルヘルスの問題があっても自己嫌悪を克服できます。ただし、やみくもに行動しても自己嫌悪は簡単に克服できません。
本記事で紹介する自己嫌悪に陥る原因や、克服する手段を知って、自己嫌悪の沼から脱出しましょう。
また、自己嫌悪がいつまでも治らない場合は、専門家に相談するのがおすすめです。悩ミカタ相談室では、信頼できる心の専門家の中から自分に合う人を選んで相談できます。
自己嫌悪とは? 自分のことが嫌いになってしまう人へ
自分のことが認められず、自己否定してしまう状態を自己嫌悪と言います。
自己嫌悪はさらに「対他」「対自」の2種類に分類されます。
自己嫌悪の種類 | 心の反応 |
---|---|
対他的自己嫌悪 | 他人と接して発生する自己嫌悪のこと「本当は嫌なのに相手に合わせてしまう」「他人からの評価を意識しすぎてしまう自分が嫌になる」 |
対自的自己嫌悪 | 自分自身との葛藤で生まれる自己嫌悪のこと「やると目標を立てたのに、すぐ断念してしまう自分が嫌い」「決められたルールを守れない自分が嫌い」 |
上記のように自己嫌悪は、2種類の心の反応から生まれます。
次章から自己嫌悪の治し方を紹介します。
自己嫌悪が止まらない… 陥った場合の9つの治し方とは?
自己嫌悪に陥ってしまった際の治し方を本章で解説します。
- 自己嫌悪の根本的原因を追究する
- 「できない」を「できる」に変える方法を探す
- 完璧を求めすぎない
- メタ認知力を身に付ける
- 他人と比べない
- 小さな成功体験で自己肯定感を高める
- モチベーションアップにつながる書籍や名言を読む
- 瞑想やヨガを始めてみる
- 専門家に悩みを打ち明ける
自己嫌悪に陥っても対処できていれば、心穏やかに過ごせます。自己嫌悪に陥りがちな人ほど、ぜひ参考にしてください。
1.自己嫌悪の根本的原因を追究する
自己嫌悪を解決するには、根本的な原因を追求するのが大切です。なぜなら、感情的に反応しても解決しないからです。
たとえば、人から注意されたり、批判されたりした時のことを思い浮かべてください。
思わぬ形で批判を受けると反発したくなります。しかし、ここで不用意に反応するのではなく、批判された原因や背景を考えてください。
- 以前注意されたことを繰り返してミスした
- 失敗を見逃すと大きな失敗に繋がる可能性がある
自分を客観視できるようになると、過度な反省を起こさず感情の起伏を少なくできるでしょう。
2.「できない」を「できる」に変える方法を探す
「できない」を「できる」に変える思考を身につけると、自己嫌悪に陥るケースは少なくなります。
なぜなら、プロセスを追求する思考法に変化していくからです。
例えば、メジャーリーグで活躍する大谷翔平です。彼も最初から人が羨む才能があったわけではありません。
大谷選手は、日々の練習(プロセス)を徹底的に追求した結果、世界で活躍し続ける野球選手になりました。
「小さな行動の完遂」「小さな目標の達成」が大きな成果につながり、自己嫌悪を防ぎます。
3.完璧を求めすぎない
完璧を求めない方が自己嫌悪を予防できます。なぜなら、完璧な人間などいないからです。
評論家・エッセイストである勢古 浩爾さんの著書「ああ、自己嫌悪」の中にこんな一節があります。
「もし完璧な人間がいたら気持ち悪くて、そんなおもしろくない人間なんかつきあえたもんじゃない。
(中略)
もしいるなら完全な人に会ってみたい。もしそんな人がいるなら、おもしろくないどころか、最高におもしろいに決まってる。それ以上おもしろい人間はこの世にいないだろう。なにしろ、そんな人はだれも見たことがないんだから。どこかにいるのかな。」
引用:勢古 浩爾. ああ、自己嫌悪
完璧主義の人ほど、理想の形にできない時に自己嫌悪に陥ります。そのため、完璧を求めすぎず自分がちょうどいいと感じる状態を目指しましょう。
その結果、自己嫌悪する機会は減少するはずです。
4.メタ認知力を身に付ける
冷静に自分を客観視する能力を「メタ認知力」と言います。
この能力を身につけることで、自分を客観視できるようになり、感情に振り回されなくなります。
メタ認知力を高めるためには、「なぜ?」を自分に問いかけることが重要です。
- なぜ、◯◯の状態になってしまったのか?
- なぜ、◯◯の感情を抱いてしまったのか?
このように思考していくと、思考の偏りやバイアスを抜け出せます。
5.他人と比べない
他人と比べないよう意識するのも重要です。なぜなら、他人からの反応を気にしすぎて、自己肯定感が極端に下がるからです。
人は際限なく劣等感を生み出す生き物です。
他人と向き合い続けると泥沼にハマってしまうため、自分はどうありたいか意識し、他人と比べないよう注意してください。
6.小さな成功体験で自己肯定感を高める
自己嫌悪する人のなかには、大きな目標を抱きすぎて、結果的に目標を達成できず自己嫌悪に陥ってしまう人もいます。
小さな成功体験を繰り返すと、自分自身に対しネガティブな感情を生み出しづらくなり、結果的に自己嫌悪の改善につながります。
例えば英語を学ぶケースです。最初から「1年後に流暢な英語を話せるようになる」と大きな目標を立てても、目標は達成できないでしょう。
- 最初は簡単なフレーズを1日2〜3つ覚える
- 毎日30分単語や文法を勉強する
上記のように小さな成功を積み重ねることで、目標を達成でき、自己肯定感を高める原動力になります。
7.モチベーションアップにつながる書籍や名言を読む
人が自己嫌悪に陥るタイミングは、モチベーションが低下している時など、ネガティブ思考になっている時です。ですので、モチベーションが上がる自己啓発系の書籍や著名な歴史上の人物の名言を読むと、自己嫌悪を解消するのに効果的です。
例えば、対人関係の名著「嫌われる勇気」を読むと、他人の意見や評価は気にしなくていいと教えてくれます。
「われわれは他者の期待を満たすために生きているのではない」
「他者からの承認を求め、他者からの評価ばかりを気にしていると、最終的には他人の人生を生きることになります」
「ダンスを踊っている『いま、ここ』が充実していれば、それでいいのです」
引用:嫌われる勇気
上記のように、モチベーションを上げる書籍を探して読んでみると、自己嫌悪を抱きづらくなります。
8.瞑想やヨガを始めてみる
瞑想やヨガはリラックス効果と同時に、自分自身を思いやる気持ちを向上させる効果も期待できます。
なぜなら、瞑想やヨガをしている最中は「いま、ここ」に集中しているため、不安やイライラした感情など負のエネルギーを小さくできるからです。
瞑想やヨガによって、ストレス感情に巻き込まれていることに気付く「解消時間」を意図的に設けましょう。
9.専門家に悩みを打ち明ける
「自己嫌悪に陥った状態から解放されたい」と思っていても、なかなか負の感情から抜け出せない方も多いのではないでしょうか。
もし自分自身や家族と協力しても、自己嫌悪で心を疲弊してしまっている方がいるのなら、専門家への相談をおすすめします。
専門家のカウンセリングを受ければ、心理カウンセラーの専門的な意見を聞けるので、自己嫌悪からいち早く抜け出せます。
そもそも自己嫌悪に陥ってしまう原因とは?
本章では、自己嫌悪はどのようなときに陥ってしまうか解説します。
- 自己肯定感が低い
- 慢性的なストレスと疲労が溜まっている
- 他人よりも頑張る基準が高い
- 周りの人や環境が自分と合っていない
- 続けることが苦しい環境にいる
自己嫌悪に陥るシチュエーションを知っておくことで、不要に落ち込まなくなるはずです。
1.自己肯定感が低い
自己肯定感が低い方は、自己嫌悪に陥りやすいです。なぜなら、他人より自分が劣っていると日頃から考え、負の感情を抱え込みやすいからです。
具体的なシーンでお伝えすると、あなたは「自分は人より行動が遅い」ことを気にしているとします。そのコンプレックスを受け入れられず、「自分はダメな人間だ」と落ち込み、苦しんでしまいます。
しかし周囲は、苦しんでいる本人ほど「人より行動が遅い」ことを気にしていません。結果的に、「他人が気にしていない問題」に対し、あなたは悩み苦しみ続けてしまいます。
2.慢性的なストレスと疲労が溜まっている
ストレスや疲労が溜まっている時ほど負の感情が生み出されやすく、自己嫌悪に陥りやすいです。過剰なストレスや疲労を受けていると、ネガティブ思考になりやすくなることが理由です。
特に、なんでもやると手を上げ、率先して行動してしまう人は、慢性的にストレスを抱え込みやすいので注意が必要です。
「できること」と「できないこと」の分別をして、ストレスの少ない環境を構築していきましょう。
3.他人よりも頑張る基準が高い
頑張る基準が高すぎると、自己嫌悪を助長します。基準が高いと、自分が満足した結果を得づらくなってしまうからです。
- 「自分ならやればできる」
- 「努力ならいくらでも」
まずは日常の中で、「がんばった」と納得できる基準にまで落としましょう。
他人と比較して作った基準だと、しんどくなって自己嫌悪のスパイラルにハマってしまいます。
4.周りの人や環境が自分と合っていない
自分と合っていない環境にいると、自己嫌悪の沼にハマってしまいます。なぜなら、無理をして接しなければならず、「努力が足りないから」と考えてしまうためです。
例えば、エリートが集まる環境に属しており、自分のことを批判するようなケースです。
人を見下すような態度をとる人が多い環境に居続けてしまうと、心が疲弊してしまいかねません。
無理をせず、等身大の自分を受け入れてくれる環境を見つけることができれば、周りに気を遣いすぎず過ごせます。
5.続けることが苦しい環境にいる
一時的なストレスであれば我慢してやり過ごせます。しかし、人間関係にもまれ、毎日笑顔でいることに疲れてしまったり、断れなかったことに追われ忙しくて余裕がなくなったりした経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
小さなストレスでも毎日続くと、いつしか心が正常に働かなくなり、自分自身を責めるようになります。
ですので、自分にとってのストレスを明確にし、ストレスが極力かからない環境に身を置くことが重要です。
自己嫌悪が治らなくてしんどい。陥りやすい人の特徴とは?
本章では、自己嫌悪に陥りやすい人の特徴を解説します。
- 理想が高すぎる人
- 真面目で他人と比べてしまう人
- 我慢してしまう人
自己嫌悪が治らなくてしんどいと感じる方は、自分自身が自己嫌悪に陥りやすい特徴がないかチェックしてみましょう。
1.理想が高すぎる人
理想が高すぎると、自己嫌悪に陥りやすいです。なぜなら、自分の結果に納得できないからです。
例えば、掃除をしている時です。
完璧を目指すより、人に見える範囲がキレイに見えれば、「キレイな環境」は手に入りますし、手間も多くかかりません。理想をもつことは大切ですが、過度な理想は自分の首をしめてしまうので注意が必要です。
2.真面目で他人と比べてしまう人
自分を好きになるためには、他人との比較をやめることが重要です。比較すると、自分の短所が目立つと同時に、他人の長所に目がいき自分を卑下してしまうからです。
この結果、自己評価を歪めてしまい、自分を傷つけてしまいます。
しかし、その比較は正しい評価なのかわかりません。他人と比較するのが癖になっている方は、注意してください。
3.我慢してしまう人
我慢してしまう人は、自己否定のループにハマりやすいです。自分の意見を口に出して伝えないことで、他者との関係維持に役立つと考えるためです。
背景には、過去に自分の意見を否定されたり、軽視されたりした過去の経験が関係しています。
その結果、相手の要求をすべて受け入れてしまいます。自分の意見を言えず我慢してしまう方は注意してください。
自分に合う自己嫌悪の治し方を専門家に相談しよう
本記事では、自己嫌悪の治し方から解決策まで解説してきました。
自己嫌悪は、多かれ少なかれ誰しも経験する感情です。過去の経験や失敗に対する罪悪感や恥から自己嫌悪の感情を増幅させます。
しかし、人それぞれ短所と長所があり、短所だけでなく長所に目を向けることができれば、自己嫌悪は治せるはずです。
「自己嫌悪は治せると理解できても、1人では解決できない」と悩む方は「悩ミカタ」に相談しましょう。
「悩ミカタ」には相談実績が豊富な各分野の専門家が在籍しており、さまざまな悩みに適切な解決策を提案してくれます。