「休みがもう終わってしまう…」「明日はもう仕事だ」と思うと急に目が冴えてきて、寝付くことができなくなることがありませんか?そういう時に限って、寝ようと思って頑張って目を閉じてみても、眠気が来ることなく、焦りばかりが心の中を覆っていってしまいます。
おそらく自分でも仕事が原因となっていることはわかっているのではないでしょうか。自分にとって難易度の高い仕事を抱えていたり、仕事に行くということ自体憂鬱に感じていたり…。わかってはいるけど、とにかく今は眠らないと、明日に余計響いてしまうと思うと、イライラした気持ちになってきてしまいますよね。
今回は、そのような仕事がネックで眠れなくなる場合にどうすればいいのか、自分でできる対処方法などについて解説していきます。
臨床心理士・公認心理師
aiirococcoさん
公認心理師、臨床心理士として総合病院に勤めています。小児科外来をはじめ、緩和ケアチームやリエゾンなど幅広い年齢層の方の心理支援を行っています。また、webライターとして主に心理系の記事を執筆中。誰かに相談するほどではないけど困ったな、というときに役立つ情報を発信できるよう頑張ります。
明日仕事だと思うと眠れない原因とは?
明日仕事だと思うと眠れないという状況は同じでも、その内容はさまざまではないでしょうか。一時的なものもあれば、慢性的になってしまっているものもあるはずです。明日仕事だと思うと眠れない原因とは、どういったものがあるのでしょうか。
①上手くこなせるのか不安
これは、おそらく一時的なものかもしれません。いつもなら仕事が控えていても、特に問題なく眠れる人が、今日に限って眠れないという時は、もしかしたら仕事を上手くこなせるのか不安になっているのかもしれません。
自分の力量で乗り切れるのかどうか、準備はしっかりできているのか、ミスをするのではないかなど、不安を抱えているのではないでしょうか。不安な時、人は答えの出ないことを延々と考えてしまうところがあります。考えれば考えるほど、頭が冴えてきてしまい、なかなか眠る状態に入ることができなくなるでしょう。
②緊張してしまっている
明日仕事だと思うと、体に力が入ってしまい、寝付けなくなってしまう人もいます。常に気を張って頑張らなければならない仕事を抱えているような人ほど、こういう状態に陥りやすいでしょう。
明日も気を張ってケアレスミスをしないようにしなければならないのに、眠れないため、余計に緊張感が高まってしまうという悪循環にはまりそうです。おそらく寝ようとして目を閉じていても、顔や肩、もしくは全身に力が入ったままになっているのではないでしょうか。そうなると寝付くことが難しくなってしまうでしょう。
③仕事を辞めたくなっている
明日仕事だと思うと眠れない人の中には、慢性的に眠れない人もいるかもしれません。仕事が自分には向いていないのではないか、働きすぎてしんどい、対人関係がうまくいかないなど悩みを抱えていて、仕事を辞めたくなっている場合があります。
ただ、だからといってすぐ辞められるものでもなく、悶々としたまま続けざるを得ない状況の時、少しずつ眠れなくなっていくことはあるでしょう。眠れない日が続き、体がだるく頭もぼんやりしたまま仕事に行くことが続いているのであれば、辞めたいのに辞められない状況が原因かもしれません。
④周りからの強いプレッシャー
普段はそれほど眠れないということはないのに、急に眠れなくなることもあります。思い返してみると、前日に強いプレッシャーがかかるような出来事があったと思い至ることがあるのではないでしょうか。
とても重い責任を押し付けられていたり、難しすぎる仕事を任されていたり。それに応えなければならないと思うことがプレッシャーとなって眠れなくなることがあります。自分ではそこまでプレッシャーだと感じていなくても、眠れないという状況が実際のプレッシャーの強さを表しているのではないでしょうか。
⑤嫌な仕事がある
会いたくない仕事相手に会わなければならない、自分が苦手な仕事をしなければならないなど、嫌だと明確に感じる仕事が明日に控えている時に眠れなくなることもあります。嫌だな、明日にならなければいいな、明日が消えて急に明後日になればいいななど考えているうちに、だんだん目が冴えてきてしまうでしょう。
仕事ですので、苦手なタイプの人とも表面的にはうまくやっていかなければならない場合もあります。苦手だからといって仕事を選べない時もあるでしょう。そういう時に眠れなくなってしまい、それを乗り越えるとすんなり眠れるということはありそうです。
仕事のストレスが睡眠に与える影響とは?
仕事のストレスで眠れなくなるなんて、軟弱だと思う人もいるかもしれません。でも、ストレスを侮ってはいけないのではないでしょうか。仕事を一生懸命やっている人ほど、仕事のストレスが、強く睡眠に影響を与える場合があります。
①脳が興奮状態になってしまう
仕事のストレスによって、脳が常に興奮状態になってしまう場合があります。脳が興奮状態になると、リラックスすることができず、常に心身が緊張してしまうでしょう。寝ようとしているのに、体に力が入ったり、考え事が止まらなくなってしまうなどあれば、脳が興奮状態になったままなのかもしれません。
眠りたいのであれば、脳の興奮状態を鎮めなければならないのですが、意識でコントロールできる部分ではないため、難しいですよね。むしろ意識すればするほど、余計に緊張感が高まってしまう悪循環に入っていきます。
②交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかなくなる
脳の興奮状態を引き起こすのは、交感神経です。通常であれば夕方くらいから副交感神経が優位になり、ゆるやかに眠る方向へと体の準備が始まります。ところが、ストレスがかかることで、この切り替えがうまくいかなくなり、夜になってもハカハカとした状態が続いてしまいます。
心拍数や血圧が上昇したままになり、なかなか寝つきづらい状況が続いてしまうでしょう。また自律神経も乱れてしまい、頭痛が起こったり気分が落ち込んだり、イライラしたりするようになります。気分の落ち込みやイライラで、余計に眠れなくなってしまうのです。
③ノンレム睡眠とレム睡眠のバランスが悪くなる
仕事でストレスがかかることにより、ノンレム睡眠とレム睡眠のバランスも悪くなる場合があります。疲れているので寝付きはいいけれども、夜中に何度か目が覚めてしまったり、朝目覚ましが鳴るよりも随分前に目が覚めてしまったりしてしまうでしょう。
睡眠の質がとても悪く、日中も眠気とだるさ、頭のぼんやり感が続いてしまいます。それによって普段ならしないようなミスをしたりしてしまい、気落ちして余計に眠りがうまくいかなくなる悪循環に陥る場合もあります。
④ホルモンバランスが崩れ体内時計を崩す
仕事でのストレスが、ホルモンバランスを崩してしまい、体内時計を崩すこともあります。体内時計が正常に働いていれば、いつも同じくらいの時間には眠気が来るのに、それがずれ込んでいってしまうのです。
そうなると、夜は寝付けず、朝は起きづらいという状況に陥ります。朝が起きづらいことで遅刻してしまったりし、寝不足で疲れが取れないまま出勤することになってしまうでしょう。
⑤眠れないことで余計にストレスが強まる
真面目な人ほど、眠れないことで明日の仕事に支障が出ると感じ、焦りを覚えるのではないでしょうか。早く眠らなければならないと焦れば焦るほど、眠気が遠のき、長い夜を過ごすことになるでしょう。
それが余計にストレスとなり、夜が来るたびに憂鬱な気持ちになったり、また眠れないのではないかと不安になってしまったりするのではないでしょうか。眠れないことで夜の時間がとても長くなり、ネガティブな考え事をたくさんしてしまう場合もあります。
眠れないときの対処法
仕事のストレスで眠れない原因はわかりましたか?おそらく何かしら思い当たるところがあったのではないでしょうか。では肝心の対処方法について解説していきたいと思います。眠れないとき、どういうことをすればいいのでしょうか?
①温かい飲み物を飲んで仕切り直す
眠れないと思って、ベッドでずっと目を閉じてゴロゴロし続けるよりも、思い切って一度仕切り直すといい場合があります。焦る気持ちが眠気を遠ざけてしまっている可能性があるからです。
お茶や白湯など、カフェインの入っていない温かい飲み物を小さめのカップに入れ、ゆっくりと飲みましょう。その際、できるだけ電気は暗めにして、あまり脳に刺激を与えないようにするといいかもしれません。
②体に力を入れて脱力をする
眠れないとき、おそらく体にとても力が入っているはずです。特に顔まわりや肩などは力んでしまいがちな部分です。いきなり脱力することは難しいですので、一度意識的に全身に力を入れるといいでしょう。そこから一気に脱力するということを繰り返します。
脱力する時の感覚はとても心地よく、リラックスできるはずです。またその際、息も一緒に「ふーっ」とゆっくり吐くと、より効果的でしょう。また部位ごとにやってみることもおすすめです。最初は体の中心部分に近づけていきます。うまく全身の力が抜けた頃には、自然と眠りに入れているかもしれません。
③ヒーリングミュージックを聴く
仕事のストレスで、あれこれ考えてしまい、眠れないという時はヒーリングミュージックを聴くこともおすすめです。最近は、そういう眠りに誘うような音楽を流すアプリなどもたくさんあります。
音楽に限らず、川の流れる音や小鳥の囀りなど色々なバリエーションがありますので、その日の自分の好みに合うものを選ぶと良いでしょう。そして音を流し始めたら、できるだけ音の方に気持ちを集中します。
頭の中を雑念がたくさんよぎるかもしれませんが、雑念が沸いても意識して音楽に気持ちを戻してください。そうしているうちにふっと意識が途切れる瞬間が来るでしょう。ただし、音があることで逆に気になって眠れない人もいます。向き不向きがありますので、合わないと思ったら無理せず音は止めてしまいましょう。
④なんとかなると自分に言い聞かせる
明日の仕事が不安で眠れないとき時は、なんとかなると自分に言い聞かせることも有効かもしれません。もう眠ろうとしているため、この時間からできることはないはずです。夜中に慌ててやっても、翌日やっても大差はないでしょう。
おそらく、世の中なんとかなってしまうことが結構多いものです。あなたひとりの力では難しくても、周りの人がうまくフォローしてくれる場合もあります。やれることはやったから、あとはなんとかなると思うことで、少し心身がほぐれる場合があるでしょう。
⑤お風呂に浸かる
毎日忙しくてシャワーだけで済ませている人は、眠れない時にお風呂に浸かることが有効な場合もあります。お風呂に浸かることで交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいき、自然と眠気が出てくることがきた期待できるからです。
少しぬるめくらいの温度がよいですし、入浴剤もラベンダーや森の香りなど心が落ち着くものを選ぶとよいでしょう。広めのお風呂を持っているのであれば、少し体を浮かせてお湯の揺らぎに身を任せてもよさそうです。
入浴後すぐは眠れませんが、1時間ほどする頃には自然と眠たくなってくるでしょう。
⑥ツボを押す
仕事のことで緊張して眠れない時は、ツボを刺激してみるのもいいでしょう。体にはいろいろな安眠を呼ぶツボがあります。例えば百会(ひゃくえ)という頭のてっぺんに眠れるツボがあると言われています。
また耳の後ろには、その名も安眠と呼ばれる副交感神経を活性化するツボがあります。耳の後ろの下向きに尖った骨から指ひとつ下へずらしたあたりです。肩こりにも効きますので、肩が緊張して固くなってしまっている人にはよさそうです。
⑦無理に寝ない
仕事のストレスで眠れない人は、とにかく眠れなければならないと焦ってしまいがちです。確かに眠れれば体の疲れも取れます。ただ、実は横になっているだけでも、それなりに体の疲れは取れるのです。
だから無理に寝る必要はなく、ゆったりとベッドに寝転がっているだけでも、ある程度は大丈夫なのです。もしネガティブな考えが渦巻いてしまい、その状態がつらいのであれば、手元明かりをつけて本を読んでもいいでしょう。眠れなくても充実し、リラックスした時間を過ごせたのであれば、翌日の活動の質はひどく落ちることはないはずです。
⑧病院に相談する
あまりにも眠れない日が続き、体力が続かないと感じる場合は、やはり病院など専門家に相談することをお勧めします。自分の力だけではどうにもならないほど、強いストレスがかかってしまっているのかもしれません。
薬に頼ったり医師に相談したりすることに対してハードルの高さを感じる人もいるでしょう。ただ、慢性的な睡眠不足は、体調面を崩したり、思考力を低下させるなど別の問題を引き起こします。風邪をこじらせたら病院へ行くのと同じで、ストレスで眠れないことが続くなら病院へ行くことが解決の近道になるでしょう。
眠れないときにしてはいけないこと
眠れないときに、余計に眠れなくなるような行為があります。もしかすると、無意識のうちにそういった行動をとってしまっているかもしれません。それを止めるだけで、眠れるようになる場合もあります。
①スマホをいじる
これはおそらく、わかっているけれどもやってしまうという人が多いのではないでしょうか。眠れないとどうしても手持ち無沙汰になってしまい、ついついスマホに手が伸びていってしまうでしょう。
スマホの光は、脳を活性化させ眠りを阻害する働きがあります。またいろいろな情報を見てしまうことで考え事をするようになり、ますます興奮状態になっていってしまうでしょう。スマホは、できるだけ寝室には置かず、手が届かないようにしておくとよいかもしれません。
②起きて仕事をする
不安が募って眠れないからといって、起きて仕事を始めてしまうのはよくありません。仕事をすることで余計に頭が冴えてしまいますし、おそらくそれをしたからといって不安がぬぐえるわけではないでしょう。
むしろ徹夜になってしまったり、明け方に眠くなってしまって寝坊をしてしまうリスクがあります。また夜中にやる仕事は、あまり質がよくないものだったりすることもあるでしょう。せっかく睡眠時間を削ってやったのに、翌朝見たら酷い出来だったなんてこともありそうです。
③アルコールやカフェインを摂取する
カフェインは当然のこととして、アルコールもおすすめしません。眠れないからと寝酒を飲む人もいますが、睡眠の質を落としてしまっています。寝付けても、結構すぐに目が覚めてしまったり、逆に寝付けないままうとうとした状態だけ続いたりしがちです。アルコールと同様に、タバコもよくありません。眠れないからといって一服してしまうことで、あるこアルコールと同様の理由です。
また眠れないから温かい飲み物を飲もうと、コーヒーや紅茶などを摂取することは逆効果です。最近眠れていないとか、睡眠の質が悪いと感じるのであれば、できるだけ夕方以降はカフェインの摂取を控えるとよいでしょう。
④とにかく寝ようとする
眠れないと、なんとかして眠れなければならないと必死に目を閉じて布団を思い切りかぶって寝ようと頑張ってしまう人は結構いると思います。焦れば焦るほど、体に力が入り、眠れるような状態ではなくなります。
隣で家族がイビキをかいて寝ていたりすると、余計にイライラしてしまい、焦りが強まってくるでしょう。そのような状態でとにかく寝ようとしても、いい結果にはつながっていません。寝ようと頑張って眠れる人はいません。
眠れなかった翌日の乗り越え方
色々やってみたけれども、やっぱり眠れなかった。布団でゴロゴロするだけで夜が空けてしまった……。ではそういう日はどうやって乗り越えればいいのでしょうか。朝からだるさがあったり、気が重かったりするかもしれません。
ここからは、眠れなかった翌日を少しでも心地よく過ごすための方法を解説します。
①朝日を浴びる
眠れなかった翌日、どんなにつらくても仕事だから起きなければならない、そんな日は起きてすぐに朝日を浴びるとよいでしょう。朝日には人の体内時計を戻す作用があります。眠れていない人にとっては眩しすぎるかもしれませんが、朝日があなたの狂った体内時計を戻してくれるはずです。
②冷たい水で顔を洗う
これは実践したことがある人が意外と多いのではないでしょうか。どうしても寝不足でモヤモヤした感覚を感じてしまうでしょう。そういう時は、あえて冷たい水で顔を洗い、物理的にスキッとするのがおすすめです。
一時的かもしれませんが、多少眠気が消え、頭もスッキリしてくれるでしょう。お化粧をする人は難しいかもしれませんが、昼間でも眠気が来たら水で顔を洗うことで、また一時凌ぎができます。
③カフェインを摂取する
眠れないときは避けた方がいいカフェインですが、起きて頑張らなければならない時にはとても強い味方となってくれます。取りすぎはその日の夜に影響してしまうため、よくありませんが、適量の摂取はむしろいいでしょう。
特に朝はコーヒーや紅茶を飲むことで、少し頭がスッキリしてくれます。体の疲れもある時は、栄養ドリンクなどもおすすめです。ただし、どちらも飲み過ぎには注意してください。
④お昼寝をする
眠れなかった翌日は、お昼寝を少しするとよいでしょう。15分から30分程度がおすすめですので、タイマーをかけて、眠くてもタイマー通りに起きるようにしてください。それ以上眠ってしまうと、また夜の睡眠に影響を及ぼしてしまいます。
少ししか眠れなかったと感じるかもしれませんが、お昼寝をする前よりも頭がスッキリするのではないでしょうか。職場でも、少し机に突っ伏して眠るなどお昼寝タイムをとることで午後を乗り越えることができそうです。
⑤その日は仕事量を減らす
眠れなかった翌日は、できれば仕事量を減らすとよいかもしれません。どうしても業務的に難しい場合は仕方がないですが、いつも以上に頑張ることはやめた方がいいでしょう。可能であれば、早めに仕事を切り上げて帰宅することをお勧めします。
また、明日に回すことができる仕事は明日に回すようにするとよいでしょう。きちんと判断しなければならない仕事やミスが許されない仕事は、その日じゃないほうがいいかもしれません。まだ期日に余裕があるのであれば、少し先送りにすべきでしょう。
⑥休めるのであれば休む
もし眠れなくて体調がとても悪いのであれば、休むという選択もあります。仕事に行かなければならないと思い込んでいるかもしれませんが、あなたがいなかったらいなかったなりに、社会は回っていくことが多いです。
休むわけにはいかない場合を除き、あまりにもだるくてしんどい時は休みましょう。休むことで少し疲れが取れ、またいつも通り眠って働きに出ることもできるかもしれません。無理は禁物です。
仕事のことを考えて眠れない症状が続く…そんなときに疑われる病気とは?
数日程度眠れないくらいなら、誰にでも起こることですし、それほど問題ではないかもしれません。ただ、それが数週間にわたって続き、工夫をしても仕事のことが頭を占めていて眠ることができない場合、病気になってしまっている可能性があります。
①適応障害
仕事のことを考えて眠れない症状が続く時、まず考えられるのが適応障害です。もしかしたら、職場の人とうまくいっていなかったり、仕事がうまくできなかったりして、適応障害を起こしている可能性があります。
ストレスと疲れを常に感じており、症状としてはうつと似ています。ただし、適応障害であればストレスの原因から遠ざかることで症状が改善するのが特徴です。適応障害の初期症状としては、不眠と食欲不振、もしくは過食が挙げられます。
ストレスが強くかかっていることを自覚していて、眠れない、食べられないもしくは食べすぎるという状態が続いているのであれば受診をした方がよさそうです。大したことではないと放置すると、さらに心身のバランスを崩し、イライラ感が強まって周りとトラブルを起こしたりする場合があります。
②うつ病
仕事のことを考えて眠れない症状が続く時、うつ病の可能性もあるでしょう。うつ病の場合、脳の物質がうまく分泌されず気持ちが塞ぎ込んでしまいます。楽しかったことも楽しいと思えなくなり、気持ちが常に滅入ってしまうでしょう。
うつ病の場合、寝つきの悪さだけではなく、まだ夜が明けきらないうちに目が覚めて寝付けなくなったり、何度も目が覚めて熟睡できなかったりします。またやたらと疲れやすくなったり、イライラした気持ちを感じてしまうこともあるでしょう。
うつ病の場合、早めに受診することが勧められます。誰でもなる可能性があるものですが、特に真面目で頑張りやな人ほどなりやすいと言われています。進行してからの治療より軽いうちに治療する方が回復も早いです。
③自律神経失調症
仕事のことを考えて眠れない症状が続く時、自律神経失調症の可能性もあります。これは正式な病名ではないのですが、心療内科やメンタルクリニックで言われることの多い診断名です。軽度のうつ病と言われる場合もあります。
プレッシャーや不安が強く、ストレスを溜め込んでしまっている時に、眠れなくなったりだるさが取れなくなったりという症状が出てきます。また、目眩を起こしたり腹痛を感じたり、関節痛があったりと、取り止めのない症状が出てきがちです。
ストレスをうまく発散することができず、溜め込んでしまうことで、こういった様々な心身の症状を引き起こしている状態です。投薬治療の他、カウンセリングなども有効ですし、放置することでより深刻なうつ病などを引き起こす場合もあるため、早めの診察をお勧めします。
病気の可能性があるときにした方がいいこと
ここまで読んで、もしかしたら病気かもしれないと感じた場合、何をしたらいいのでしょうか?病院にかかることは勇気が出なくて、もう少し様子を見たい、でも病気かもしれない。そういう時に自分でできる行動を解説します。
①職場のメンタルヘルス制度を利用する
もし職場にメンタルヘルス制度があるのであれば、それを利用してみましょう。産業医や心理カウンセラーなど相談できるところが社内にある場合があります。仕事や職場の人間関係に悩んでいて眠れなくなっているのであれば、その辺りの調整もサポートしてくれるかもしれません。
また必要に応じて、休みを取らせてくれたり、復職時のサポートまでやってくれる場合もあります。まずは職場にそういった制度があるかどうかを調べてみましょう。
②同僚や上司に相談してみる
仕事のことが頭から離れず、眠れない日々が続いている場合、仕事にも支障をきたしてしまうかもしれません。誰にも言わずに頑張り続けていると、なかなか状況が改善せず、あなた自身の首を絞めることになる場合もあります。
同僚や上司など、誰か職場内で話せる人に話してみるといいのではないでしょうか。仕事量を減らしてくれたり、配置換えを考えてくれたりする可能性もあります。また社内で使える制度などを教えてくれたりもするかもしれません。
まずは職場の中に、味方を作ることが必要でしょう。ひとりで悩みを抱えて孤立してしまわないようにしましょう。
③規則正しい生活をする
眠れないことで、どうしても生活が乱れていってしまうかもしれません。朝起きづらくて遅刻や欠勤が増えてしまったりすることで、余計に仕事での自信を喪失したり周りとの関係が悪くなったりする場合があります。
そうならないためには、できるだけ規則正しい生活を心がけていくことは大切でしょう。仕事量を減らしてもらえるのであれば減らし、休みや食事の時間などをきちんと確保することは大切です。毎日バランスの良い食事を摂り、お風呂にゆっくり浸かり、そして眠れなくても決まった時間にベッドに入る。そういうサイクルを作っていくことで少しずつ気持ちが安定してくる場合もあります。
④家族に相談する
職場に相談できるような相手がいない場合は、家族に相談しましょう。もし、あなたが心のバランスを崩して病気になってしまっている場合、物事をきちんと判断できなくなっているかもしれません。
そういう時に勢いだけで仕事を辞めてしまったりするのは、お勧めできない行動です。家族でも友人でも、誰でもいいので、あなたの状態を相談できる人に話しましょう。病院へ行くことが不安なのであれば、一緒に行ってもらえばいいです。
誰かに相談することで気持ちが軽くなる場合もあります。こんなことで人に相談すると抵抗感を感じてしまう人もいるかもしれませんが、ひとりで抱え込むことは何もいい結果を生みません。思い切って話してみることをお勧めします。
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まとめ
明日仕事だと思うと緊張したり、気が重くなってしまって眠れないと感じる人は、結構多いと思います。深刻さには差があるかもしれませんが、やはり眠れないのはしんどいことですよね。
眠れないことで頭がぼんやりしたり、物事を前向きに考えられなくなったりしますので、侮ってはいけません。自分でできる対策をしても、やっぱり眠れないのであれば、ひとりで抱えずに、必ず誰かに相談してみましょう。
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