このような経験はありませんか?
「長年付き合っていた恋人と別れた」
「急に会社をクビになってしまった」
「定年退職し、やりがいがなくなってしまった」
上記のことがきっかけで、虚無感を感じたことはありませんか?
急に憂鬱な気持ちになり、人生に意味が感じられなくなる経験は誰しもあるでしょう。虚無感は、人を無気力にさせ何もできなくしてしまいます。
本記事では、虚無感の7つの原因と5つの解消方法を解説します。虚無感を克服・解消し、幸せに満ちた人生を歩みたい方はぜひご覧ください。
虚無感とは? 人生に意味を感じなくなる
虚無感とは、人生や自分などすべてに意味を感じられなくなる心の状態です。例えば、失恋して悲しくなったり、失業して人生に希望を持てないときに虚無感に襲われます。自分にとって重要な仕事や大切な人を急に失ったときに人生が無意味に感じるでしょう。
また、似た意味の言葉に空虚感がありますが、虚無感とは違います。空虚感は、それまで存在していた価値あるものが欠けたときに虚しさを感じます。一方、虚無感は自分や人生などすべてに意味を感じなくなることです。
虚無感は、一時的に生じることや根深く生じることもありさまざまな形で現れます。虚無感に襲われると、心に穴が空いた気分になり、何をするにも気力が起きなくなってしまいます。
なぜ人は虚無感に襲われる? 考えられる7つの原因とは?
虚無感とはなにかを解説しました。では、なぜ人は虚無感に襲われるのでしょうか。主な原因は以下の7つが考えられます。
- 人生をかけた目標の達成
- 将来への漠然とした不安
- 理想と現実のギャップ
- 慢性的なストレス
- 人間関係の悪化による孤独
- 身近な大切な人との別れ
- 睡眠不足や生活リズムの悪化
これらが原因となる理由を下記で詳しく解説します。
1.人生をかけた目標の達成
人生のすべてをかけた目標が達成できなかったときに虚無感に襲われます。
例えば、小さい頃から野球を頑張って、プロに入れるレベルまで到達したものの怪我により選手生命が途絶えたときなどです。今まで頑張ってきたことがすべて失われたと感じたときに虚無感に襲われます。
人生をかけて努力してきたことは、自分を形作る重要な要素だととらえてしまいます。
そのため、挫折すると「自分が生きている価値はない」と感じ、すべてのことに対して無気力になってしまいます。しかし、人の価値は失敗しただけでは失われません。
2.将来への漠然とした不安
将来への漠然とした不安は虚無感を抱く原因の1つです。失恋や失業など具体的なきっかけがないにも関わらず、漠然と不安に襲われます。
例えば、結婚して家族と暮らすことが理想の独身男性がいるとします。現状は恋愛ができていないため、ふと「自分は将来結婚できるのか」と想像し不安を感じるでしょう。
このような不安がきっかけで「自分の人生はもう終わりだ」と考えてしまい、虚無感を抱く原因になります。また、貯金がほとんどない状態で定年を迎えた時に老後の生活に不安を感じ、虚無感に襲われる場合もあります。
3.理想と現実のギャップ
理想と現実のギャップが虚無感の原因になります。
例えば、今頃は幸せな家庭を築いているはずだったのに、気付いたら40歳まで独身のままきてしまったなどのケースです。「あの時こうしておけばよかった」「ほんとはこんなはずじゃなかった」と理想と現実のギャップを感じたとき虚無感は強くなります。
特に、理想を高く抱きやすい方や完璧主義な方は現実とのギャップにひどく落ち込んでしまうかもしれません。
完璧主義な方では、少しうまくいかなかっただけでも「わたしは何もできない人間なんだ」と感じて虚無感に襲われやすいこともあるでしょう。
4.慢性的なストレス
体調不良が続いているなど、慢性的なストレスも虚無感の原因になります。なぜなら、本来できるはずのことができなくて「こんなこともできないのか」とショックを受けるからです。
体調不良によりできないことは誰でもありますが、実際にその状況に直面すると悲しくなります。
上記のような、慢性的なストレスにより日々の楽しみや物事への興味を失い、虚無感を抱くことになります。また、うつ病や不安障害など精神疾患がある方では、特に虚無感の影響を受けやすいでしょう。
5.人間関係の悪化による孤独
人間関係の悪化による孤独は虚無感の原因になります。なぜなら、人は社会の中で自分の存在価値を見出し、やりがいや生きる意味を見つけるからです。
社会や地域とのつながりの欠如は、自分の生きる価値を見失い、心が孤独になってしまいます。仲のよい友達や仕事仲間と話をしていると楽しいと思います。
しかし、関係が悪化して話さなくなると心が苦しくなると同時に「自分は必要とされていないんだ」と孤独感を感じるでしょう。その結果、自己肯定感が下がり虚無感に襲われやすくなります。
6.身近な大切な人との別れ
身近にいる大切な人を失うことは虚無感を抱える原因になります。なぜなら、大切な人から必要とされることで、自分の存在価値を確認できるからです。大切な人がいなくなってしまったら、自分の存在価値を見失い虚無感に襲われやすくなります。
また、親元を離れての一人暮らしや親しい友人と疎遠になってしまうことも虚無感の原因です。今まで毎日のように会っていた大切な人と会えなくなると虚無感に襲われます。
7.睡眠不足や生活リズムの悪化
睡眠不足や生活リズムの乱れは虚無感の原因になります。なぜなら、睡眠時間の減少や生活リズムの乱れにより、身体は疲れたままになり思考がネガティブになるからです。
その結果「自分は生きている意味がない」と虚無感に襲われます。普段は元気な人でも、疲れていると気分が下がりやすいので気を付けましょう。
例えば、看護師や介護士は夜勤などがあるため生活リズムが乱れやすい職業です。そのため、睡眠時間をしっかり確保すること、ストレスを発散できる趣味を作ることが大切になります。
虚無感に襲われたときの5つの解消方法とは?
虚無感に襲われる原因を解説しました。では、虚無感を解消する方法は何があるのでしょうか?虚無感に襲われたときの解消方法を5つ紹介します。
- 虚無感の原因と向き合う
- 思いっきり運動する
- 新しい趣味やスキルに挑戦する
- 今日達成できる小さな目標を立てる
- 専門家に悩みを打ち明ける
下記で具体的に解説します。
1.虚無感の原因と向き合う
虚無感に襲われたときは、まずは原因と向き合うことが大切です。「何が原因で虚無感を感じているのか」「どうしたら解消できそうか」考えてみましょう。虚無感を放置したままだと再び症状が現れ、心が苦しくなってしまいます。
原因が分からなければ身近な人に相談してみましょう。相談してみた方が第3者の視点からわかり的確な意見がもらえるかもしれません。虚無感を抱え込んでしまうと抑うつ状態につながる場合もあるため注意しましょう。
2.思いっきり運動する
運動すると気持ちがスッキリしたり、睡眠の質が良くなる効果があり虚無感の解消に効果的です。さらに、運動が趣味になれば目標や楽しみが増えることや運動がきっかけで交流できる友達が増えるなど、よいことがたくさんあります。
社会的なつながりが増えると、自己効力感も上がっていくでしょう。運動が苦手な方ならば、軽く散歩したり自宅でのストレッチから始めてみましょう。
3.新しい趣味やスキルに挑戦する
新しい趣味やスキルに挑戦すると虚無感の解消につながります。やりがいや目標がないと、人生をつまらなく感じるでしょう。
趣味でも仕事でも「やってみたい」と思ったことに挑戦すると、目標ができて没頭できます。
結果、不安なことをあまり考えなくなり、ポジティブな思考に変わって人生が楽しく感じられるでしょう。また、資格などのスキルを取得すると達成感が得られたり、周りから評価されることが自己肯定感アップにつながります。
4.今日達成できる小さな目標を立てる
いきなり何かに挑戦するのはハードルが高いと感じる方は、今日達成できる小さな目標を立ててみることが虚無感の解消につながります。虚無感により気力が出なくて、1日中自宅で過ごしている方もいるでしょう。
まずは、5分だけ外に出てみる、5分だけストレッチしてみるなど少しずつ始めてみましょう。少しのきっかけで虚無感の解消につながります。
5.専門家に悩みを打ち明ける
虚無感が強すぎて苦しい方は、専門家に相談して虚無感を解消しましょう。解消するために頑張る気力が湧かなかったり、虚無感の原因が思いつかなかったら専門家の心理療法を受けてみるのも大事です。
まずは、薬に頼って不安を減らすより、専門家との相談・心理療法を通じて虚無感の原因を探ることが長期目線で効果的です。
虚無感はうつ病の初期症状?
虚無感の解消方法を解説しました。虚無感はうつ病の初期症状と似ている症状があり「自分はうつなのかな」と困惑してしまうかもしれません。以下に、虚無感とうつ病の似ている症状を紹介します。
- 憂鬱な気分になる
- 何に対しても興味が湧かない
- 睡眠が取れず寝不足な日が続く
- 食欲の低下
上記の症状は似ていますが、症状が現れる期間がうつ病と異なります。虚無感は仕事や学校の前日に現れることがほとんどですが、うつ病では継続的に憂鬱な気分が続きます。もし症状が長く続くようならば、専門家に相談してみましょう。
虚無感に襲われやすい人の特徴とは?
虚無感とうつ病は、症状がある期間が異なると解説しました。では、虚無感に襲われやすい人にはどのような特徴があるのでしょうか。主に、以下の3つがあります。
- 責任感が強く真面目な人
- 感受性が豊かな人
- 周囲に気を使いすぎてしまう人
上記に当てはまる場合でも、解消方法を身につけて感情をコントロールすると虚無感を感じにくくなります。具体的には以下で解説します。
1.責任感が強く真面目な人
責任感が強く真面目な人は、一生懸命努力できる素晴らしい性格の持ち主です。一方で、失敗した時に責任を感じやすいため虚無感を抱くことにつながります。
例えば、医者になるために勉強をものすごく頑張って医学部を受験した結果、落ちてしまった時に虚無感に襲われる、といったケースがあります。
また、責任感が強い人は失敗したときに1人で何とかしようと考えがちです。結果、ストレスを抱え込んでしまい、周りに助けを求められなくなってしまいます。責任感が強くまじめな人は、周囲に頼ることを覚えましょう。
2.感受性が豊かな人
感受性が豊かな人は、さまざまな出来事に対して人より強い刺激を感じてしまいます。例えば、友達が悲しくなっているのを見て自分まで傷ついたり落ち込んだりする場合があります。
このような、ネガティブな感情を周りから感じすぎてしまうと虚無感に襲われてしまうため注意しましょう。
周囲から過剰に影響されないためには、考え方を変えることが大切です。「人は人、自分は自分」のように、他人と自分との区別をしっかりつけ、心の適度な距離感を身につけましょう。
3.周囲に気を使いすぎてしまう人
周囲に気を使いすぎてしまうのは、虚無感を感じやすい方の特徴です。周囲に気を使えることは素晴らしい能力です。しかし、さまざまなことに敏感になりやすい傾向があります。
周囲に気を使ったのに、空回りしてしまって落ち込むこともあるでしょう。「自分は邪魔だったのかな」など考え込まないように、ポジティブに考える癖を習慣にしましょう。
また、周囲より自分を大切にできると、自己効力感があがり虚無感を感じにくくなります。
ひどい虚無感は放置しないで専門家に相談
虚無感が長く続いたり、睡眠がとれない、食欲がないなど身体的な問題がある場合は専門家に相談しましょう。心理療法により、自分で気付けなかった潜在意識や、虚無感を引き起こしている原因を探れます。
また、改善方法に関しても専門家の意見を聞けるでしょう。
虚無感の原因を突き止めず放っておくと、うつ病に発展する可能性があります。うつ病になると症状が継続し、さらに生きることが苦しくなります。
思考が働かなくなって仕事や学校にも支障がでるでしょう。1人で抱え込まず、まずは専門家に相談するのがおすすめです。