50代の生命保険、見直すべき?更新前に押さえたい必要保障と選び方を解説

生命保険 見直し 50代

50代に入ると、健康面やライフスタイルの変化に伴い、将来の備えについて真剣に考える人が増えてきます。その中でも、見直しを考えたいもののひとつが「生命保険」です。
「今の保険、本当に必要?」「更新時期が来たけど、このままでいいの?」そんな不安や疑問を抱えている方に向けて、この記事では50代の生命保険の見直しのタイミングやポイントについてわかりやすく解説します。

執筆者

キャリアカウンセラー・ライター

山田葉子さん

キャリアカウンセラー・ライター
国家資格キャリアコンサルタント/2級FP技能士

大学卒業後、人材業界で10年以上にわたりキャリア支援に従事。若手からミドル世代まで、多くの人の転職・キャリア相談に携わる。現在はフリーランスとして、企業の人材育成支援やキャリア講座の講師として活動するほか、働く人の悩みに寄り添うライターとしても活動中。得意テーマは「転職・キャリアチェンジ」「中間管理職の悩み」「女性の再就職・副業」。

目次

50代は生命保険を見直すべきタイミング?

50代は、保険を見直す絶好のタイミングです。なぜなら、生活環境や健康状態、収入・支出のバランスに大きな変化が訪れる時期だからです。

生活や健康状態の変化が大きい50代

子どもの独立や住宅ローンの完済、役職定年による収入の減少など、経済的・家庭的に節目を迎える年代です。また、健康診断の結果に不安が出始めるなど、病気リスクも現実味を帯びてきます。
こうした変化に合わせて、「本当に必要な保障」を見直すことが、保険料の節約や将来の安心につながります。

50歳の保険更新をきっかけに見直す人も多数

50代前後で迎える「保険の更新」は、見直しの絶好のタイミングでもあります。特に定期保険や医療保険では、50歳を境に保険料が大幅に上がるケースも珍しくありません。
更新時にそのまま継続するのではなく、「今の自分に本当に必要な保障なのか?」を冷静に見極めることが大切です。
無駄な保険を削れば、老後資金への備えにもつながります。

そもそも50代に生命保険は必要?不要?

「50代 生命保険 不要」と検索する人もいるように、保障の必要性そのものを疑問に思う方もいます。では、本当に生命保険は不要なのでしょうか?

一概に「不要」とは言えないが、過剰な保障は見直すべき

結論から言えば、「保障の内容と金額を見直す必要がある」というのが現実です。

・すでに子どもが独立していれば、死亡保険金は高額でなくても良い
・一方で、病気や介護に備える医療・がん保険の必要性は増す

つまり、“何のための保険か”を明確にして、必要なものだけを残すことが大切です。

必要な保障は人によって異なる

50代と一口に言っても、家族構成や収入、貯蓄状況によって「必要な保険」は大きく異なります。たとえば、配偶者や子どもがまだ扶養にある人と、すでに単身で老後に向けた貯蓄がある人とでは、死亡保障や医療保障の考え方も変わってきます。
大切なのは、今のライフスタイルや将来設計に合わせて、保障内容を取捨選択することです。「保険は一度入ったら終わり」ではなく、年齢に応じて柔軟に見直すことが重要です。

50代で迎える生活や健康面のリスク

保険を見直すには、将来的なリスクを具体的に把握することが重要です。なお、主なリスクは以下の通りです。

生活習慣病(高血圧・糖尿病など)の発症リスク

50代に入ると、健康診断で「血圧が高め」「血糖値が要注意」など、生活習慣病の兆候を指摘される人が増えてきます。高血圧や糖尿病といった慢性的な疾患は、将来的な脳卒中や心疾患のリスクとも深く関係しており、医療費や通院費も長期化しがちです。

介護が必要になるリスク

50代後半になると、自身が将来的に要介護状態になるリスクも現実的なものとして考える必要があります。厚生労働省の統計によると、65歳以上の約5人に1人が要介護認定を受けており、特に認知症や脳血管疾患による長期介護が増えています。

パートナーの病気・介護による支出増加

50代になると、自分自身だけでなくパートナーの健康リスクや介護の可能性も現実的に考えなければなりません。配偶者が病気やケガで入院・通院が必要になったり、介護が必要になった場合、その費用はもちろん、仕事をセーブするなど家計や生活に直接的な影響が出ることもあります。

収入減少による家計の見直し

50代は役職定年や早期退職、再雇用などにより、収入が大きく減少するケースが少なくありません。これまで通りの保険料を支払い続けるのが負担になる一方で、老後資金の準備も本格化させたい時期でもあります。

これらに備えるための保障が「今の保険でカバーできているか?」をチェックしましょう。

50代の保険加入状況と平均保険料

「自分の保険って高すぎる?」「他の人はどのくらい払っているの?」──保険の見直しを考える際、多くの人が気になるのが「周囲との比較」です。ここでは、50代の保険加入率や平均保険料について、最新の調査データをもとにご紹介します。

保険加入率と平均支払い額

50代の生命保険の加入率は約85%※というデータがあり、多くの方が何らかの生命保険に加入しており、世代別でも高い水準であることが分かります。

また月々の平均保険料は2万円前後※というデータもあり、家庭によって差はありますが、年間で約24万円程度が保険に支出されているという試算です。特に貯蓄型保険や医療保険、死亡保障などを複数契約している場合、保険料が膨らみやすくなります。

※出典:生命保険文化センター「生活保障に関する調査」2022年版

大切なのは「自分に合った保険」であること

保険料が高いからといって、必ずしも良い保険とは限りません。逆に、「必要な保障」が不足しているのに月1万円未満の保険で済ませている人もいます。重要なのは、年齢や家族構成、健康状態、将来のリスクに対して“今の保障が適切かどうか”を定期的に見直すことです。

今の保険が高いと感じたら、まずは「その保障、今の生活に本当に必要?」という視点で確認してみましょう。見直すことで保険料を減らし、老後資金など将来の準備に回せる余裕が生まれるかもしれません。

50代の保険の見直しポイント

では、具体的にどのような点をチェックすべきでしょうか?見直しの主なポイントは以下のとおりです:

子どもの教育資金の必要性はあるか?

50代でお子さんがまだ大学在学中などの場合、教育費の負担が続く可能性があります。学費や仕送りをまかなうために、一定の死亡保障が必要なケースもあります。一方、子どもがすでに社会人であれば、教育資金のための保障は不要になるため、保険の整理対象として見直すことができます。

住宅ローンは残っているか?

住宅ローンがまだ残っている場合、ローン返済を支える死亡保障を確保しておくことが大切です。ただし、団体信用生命保険(団信)に加入していれば、万が一の場合ローンは完済されるため、重複する保障は見直しの余地があります。無駄をなくすことで保険料の圧縮も可能です。

配偶者に十分な収入や保障があるか?

配偶者が働いているか、またはすでに年金を受け取っているかによって、必要な保障額は変わります。配偶者に収入がある場合や、死亡保障が過剰に設定されている場合は、保障のスリム化を検討してもよいでしょう。反対に、配偶者が専業主婦(主夫)の場合は、一定の死亡保障を残す意義があります。

医療・がん保険は必要な保障内容になっているか?

50代になると医療費の支出が増える可能性が高まるため、医療保険やがん保険の内容は特に重要です。古い契約のままでは、日額保障型でカバーしきれないケースも。入院・手術に加え、通院や先進医療にも対応できる新しいタイプの保障への切り替えを検討しましょう。

保険料が家計を圧迫していないか?

保険にかける金額が家計にとって過剰になっていないかを確認しましょう。貯蓄や老後資金の準備を考えると、無駄な保険料を減らすことは将来の安心にも直結します。保険料の見直しは、「減らすこと=損」ではなく、「必要な保障に集中すること」が目的です。コストと効果のバランスを見極めることが大切です。

必要が薄れた保障を削るだけで、月々数千〜1万円以上の節約につながることもあります。

50代で見直したい保険の種類とは?

ライフステージの変化が大きい50代は、保障の「量」ではなく「質」を意識した保険の見直しがカギとなります。ここでは、見直しの対象になりやすい保険の種類を紹介します。

医療保険:通院・先進医療までカバーできているか?

入院日数が短期化している今、古い医療保険では保障が十分でないケースもあります

50代以降は入院よりも通院治療が中心になることも多いため、通院・先進医療・三大疾病などに対応しているかを確認しましょう。更新型の医療保険は保険料の上昇リスクにも注意が必要です。

がん保険:診断一時金型への切り替えも検討

がんのリスクが高まる50代では、がんと診断された時点でまとまったお金が受け取れる「診断一時金型」が重宝されます。通院治療や自由診療に備えるためにも、保障内容が古くなっていないかをチェックしましょう。併せて「がん先進医療特約」の有無も確認を。

死亡保険:過剰保障を削って必要最低限に

子どもの独立や住宅ローン完済により、以前ほど大きな死亡保障が必要でなくなる人も多いはず。「遺された配偶者の生活費+葬儀費用」程度をカバーできれば十分というケースも。無駄な保障を見直すことで、保険料の節約につながります。

個人年金保険:老後の収入源として再評価

定年後の公的年金だけでは生活が不安な人にとって、個人年金保険は安定した収入源のひとつです。開始年齢や受取期間、運用利率などを比較し、自分のライフプランに合った内容に切り替えられるか見直しておくと安心です。

就業不能保険:働けなくなった場合の生活費をカバー

病気やケガで長期的に働けなくなった場合、収入の途絶に備えるのが就業不能保険です。50代はまだ現役で働いている人が多いため、突然の収入減に備えるという意味で一定の価値があります。特に、自営業やフリーランスの方は、公的保障だけでは不十分なことも多く、検討の余地があります。ただし、60歳以降は保障期間が短くなるため、加入や継続の判断は慎重に。

介護保険:要介護状態への備えとして注目

介護が必要になるリスクが高まるのが60代以降ですが、50代のうちから備えることで保険料を抑えつつ手厚い保障を確保することができます。公的介護保険だけではカバーしきれない部分を補うために、一時金型や年金型などの民間介護保険を活用する人が増えています。特に、認知症への備えも兼ねた商品が人気です。

50代での生命保険の更新をどうすればいいか悩む人へ

50代になると、多くの人が生命保険の更新時期を迎えます。しかし「このまま継続していいのか?」「保険料が高くなるけど入っておくべき?」など、悩みは尽きません。ここでは、更新時のチェックポイントや判断材料をご紹介します。

更新後の保険料はどれだけ上がる?

更新型の生命保険は、一定期間ごとに保険料が見直され、50代以降は急激に保険料が上がるケースが多いです。例えば、40代で1万円だった保険料が、更新後に2〜3万円に跳ね上がることも珍しくありません。まずは、今後の支払い総額と保障内容を冷静に比較することが大切です。

「継続」か「見直し」かを選ぶ基準とは?

更新を継続すべきか、新たな保険に入り直すべきかは、ライフステージや必要保障額によって異なります。たとえば、子どもが独立し、ローンも完済しているなら、死亡保障は減額して医療保険を充実させるなど、優先順位の見直しが効果的です。迷ったときは「今、何に備える必要があるか」を考えるのが第一歩です。

終身型や掛け捨て型への切り替えも選択肢

更新ごとに保険料が上がることに不安を感じるなら、保険料が一定の終身型保険や、必要保障だけに絞った掛け捨て型保険への切り替えも選択肢のひとつです。特に老後を見据えるなら、「保障を減らして保険料を抑える」工夫も検討の余地があります。

専門家の意見を聞いて比較検討を

「更新していいかわからない」と迷ったら、ファイナンシャルプランナー(FP)など専門家に相談することも有効です。保険会社の担当者だけでなく、中立的な立場でアドバイスしてくれる専門家なら、複数の保険を比較したうえで、最適なプランを一緒に考えてくれます。

当サイト「悩ミカタ」ではミドル世代(40代50代)の悩みや不安・ストレスについて各分野の専門家/カウンセラーに相談できるオンラインカウンセリングサービス「悩ミカタ相談室」を展開しています。不安な気持ち、1人で抱え込まずにまずはお気軽に相談してみませんか?

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まとめ:50代は「保険の断捨離」で安心を手に入れる

50代は、これまでのライフステージから「次の20年」を見据える重要な時期です。保険についても、若いころのまま加入を続けるのではなく、“必要なものだけを残す”という視点で見直しを行うことが求められます。

  • 子どもや住宅ローンなどの負担が減っていれば、死亡保障は抑えめに
  • 一方、健康リスクに備える医療保障は厚くする
  • 更新を機に、不要な保険を減らすのも◎

「これでいいのかな?」と少しでも思ったら、見直しは今がベストタイミング。将来の不安を軽くするためにも、まずは情報を整理し、専門家に相談してみることをおすすめします。

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