40代の「毎日つまらない」人生から抜け出すには?楽しみがないときの対処法

大人になれば、もっと好きなことができて楽しいと思っていたかもしれません。でも、毎日つまらなく感じてしまい、人生ってこんなものなのかなと思っていませんか?毎日をつまらなくしてしまうのも、楽しくするのも、あなた次第です。そこでこの記事では、どうすれば「毎日つまらない」人生から抜け出すことができるかについて、解説していきます。

執筆者

臨床心理士・公認心理師

aiirococcoさん

公認心理師、臨床心理士として総合病院に勤めています。小児科外来をはじめ、緩和ケアチームやリエゾンなど幅広い年齢層の方の心理支援を行っています。また、webライターとして主に心理系の記事を執筆中。誰かに相談するほどではないけど困ったな、というときに役立つ情報を発信できるよう頑張ります。

目次

40代が毎日つまらないと感じてしまう理由

20代の頃はもっと楽しかったのにな、と暗い顔で毎日を過ごしていませんか?毎日がつまらないと感じるのには、何かしらの原因があるのかもしれません。環境や心身の変化によって、楽しいことを楽しいと感じられなくなっている場合もあります。属性別に毎日つまらないと感じる理由を探ってみましょう。

①人生の折り返し地点だから

40代は、人生80年と考えたときに、折り返しての後半に入ってくる年代です。そのため、30代の頃とは違って、これまでの人生を振り返り、この先の人生を考える人が多いのではないでしょうか。

「中年の危機」「第二の思春期」と呼ばれる時代でもあり、心が大きく揺れ動きます。自分が思っていたような人生を歩むことができていないと悩んだり、この先にはもう楽しいことはないと落ち込んだりしてしまう場合があるのです。「今更頑張っても仕方がない」という気持ちにもなりやすいのが40代です。

その気持ちの落ち込みによって、毎日つまらないという抑うつ的な感情を引き起こしてしまいます。うつ状態や不安障害に陥る場合もあり、注意が必要です。

②男性に多い理由

男性の場合、人生のほとんどの時間が仕事に費やされてしまい、自分が何のために生きているのか、いまいちわからなくなってしまう人も多いです。会社と家を往復し、仕事に追われ続けることに、虚無感を感じてしまうのではないでしょうか。

また、中間管理職的な立場に立たされることも多く、対人関係に悩むことが増えるのも、この時期かもしれません。他にも、仕事が問題なくできるようになることで、やりがいを感じられなくなったり、職場の色々な粗が見えるようになってしまったりすることもあるでしょう。

仕事に楽しさややりがいを見出すことができなくなって、毎日つまらないと感じてしまう男性は多いのではないでしょうか。

③女性に多い理由

女性の場合、ホルモンバランスが崩れてしまい、精神的に不安定になることが原因となることがあります。30代の頃はあまり感じなかった老いを、急に感じたりし、自分の人生がこれでよかったのか考えてしまうのではないでしょうか。

また、仕事に家事に育児と忙しく動き回っている人も多く、自分の好きなことに使う時間が持てないということもあるでしょう。趣味や友人との時間なども減ってしまい、ただ目の前のやるべきことを黙々とこなす日々になっているかもしれません。

楽しい、生き生きするといった気持ちを感じる機会が減ってしまい、毎日がつまらないと感じてしまう女性が多いかもしれません。

④既婚者に多い理由

既婚者の場合、40代となると子育て中の人も多く、家庭や子どものことが中心に回っていく生活になりがちです。教育費にお金がかかって、自分の趣味や欲しいものは我慢しなければならないという人もいるでしょう。また子育てが終わり、空の巣症候群になってしまう人もいます。

子どもがいない場合も、夫婦関係がある程度安定し、一緒にいても楽しさを感じられなくなっていたり、逆に諍いばかりになってしまったりする場合もあるでしょう。ふたりの生活にマンネリ化を感じることもあるかもしれません。

家族に時間とお金が取られること、また家族関係の行き詰まり感などから毎日つまらなく感じてしまうということがあります。

⑤独身に多い理由

独身の場合、40代となると気軽に遊べる人が減ってしまうなどの変化が見られるようになります。予定が合わなかったり、面倒くさい気持ちを感じてしまうなど、さまざまな要因で人との関わりが減ってしまうことがあります。

また、体の調子を崩したりすることもあり、そういう時に今までは感じなかった寂しさや孤独感を感じる人もいたりします。休みの日に会う人もおらず、予定もなく、仕事だけになってしまっている自分に気づくこともあるでしょう。

自分は変わらないのに、少しずつ変化していく人間関係や、ひとりで生きることへの寂しさなどを感じることによって、毎日つまらないと感じてしまうかもしれません。

毎日つまらないと感じている人が抱えやすい悩みや不安感とは?

毎日つまらないと感じている人は、他にどういう悩みや不安感を感じているのでしょうか?「つまらない」だけでは対処が難しいかもしれませんが、具体的にどういうことを悩んでいるかがわかれば、対処できるかもしれません。

①人生の方向性を変えることができない

40代となると、仕事を変えるのにもかなりの勇気が必要になってきます。今まで築いてきたものを全て投げ捨てる勇気も出せず、一から始めるエネルギーもないと感じてしまうのです。

もっとこういう人生を生きたいと思っても、そこから大きく変化させるだけの思い切りの良さを持てる人は、なかなかいないでしょう。そのため、人生の方向性を変えることが、もうできないと感じてしまい、つらくなってしまうのです。

②趣味と呼べるようなものがない

毎日つまらないと感じる人は、おそらく自分が打ち込めるような趣味を持っていないでしょう。仕事や家庭のことなど、とにかく目の前にあることをこなすことに必死になっており、ぽっかりと時間が空いた時に、何をしたらいいかわからなくなっていそうです。

自分が好きで没頭できるようなことを持っていない自分が、つまらない人間に感じられたりするのではないでしょうか。ただ趣味を持とうと考えても、なかなか腰が上がらず、行動に移せないという側面もありそうです。

③友達との関わりが減った

40代くらいになると、20代の頃のような友達との関わり方ができなくなる人が多いです。家庭を持っていたり、仕事がお互い忙しかったりして、徐々に距離ができていってしまうのではないでしょうか。

連絡してみようかと思いながらも、結局連絡しないまま数年過ぎることも多いでしょう。このまま友達との関係がすべて切れていってしまうのではないかという不安を感じたりもするのではないでしょうか。

④仕事がつまらない

若い頃は、仕事を覚えることで精一杯だったりしたかもしれません。けれども、同僚とワイワイ楽しくやれていたという人も多いのではないでしょうか。それが40代くらいになると、ある程度やることもわかり、仕事もマンネリ化してきてしまいます。

また、仕事によっては最前線の仕事ではなく、部下の教育やサポート、クレーム処理といった裏方に回っていく人もいるでしょう。元々やりたかった仕事ではなく、つまらないと感じてしまいそうです。これを定年まで続けていくことにゲンナリ感を覚えてしまうでしょう。

⑤何も楽しいと感じられない

今までは楽しいと感じたことも、あまり心が弾まなくなり、何をやってもつまらないと感じる人もいます。もしかしたら、抑うつ状態なのではないか、うつ病なのではないかと不安を感じてしまう人もいるでしょう。

集中力も続かず、ドラマを見ても本を読んでも気が散ってしまい、面白みがなくなったりもします。自分の精神状態の変化に、戸惑ってしまうのではないでしょうか。趣味にも興味がなくなったりすると、余計に不安を感じてしまいます。

⑥心身の調子が悪い

いつもだるかったり、風邪をひいたら拗らせてしまったりと、40代になると体の調子を崩すことが増えたと感じる人は多いです。またイライラしてしまうことが多かったり、やる気が出ないなど心のバランスを崩す人もいます。

心身の調子が悪いことが増えると、気持ちが滅入り、毎日つまらないと感じてしまうのは当然でしょう。心身の調子が悪いと、大きな病気に対する不安が出てきたり、それに伴って生活への不安が出てきたりします。

人生がつまらない状況からの抜け出し方

同じ40代でも生き生きしており、日々を楽しんでいる人もいます。そういう人がいるということは、40代になったから毎日つまらないというわけではないのかもしれません。コツを知っていると、つまらないと感じるような状態から抜け出すこともできるのではないでしょうか。

①自分の時間を作る

仕事や家庭のことが忙しくても、自分の時間を作ることは必要です。あなたは「1日の中で好きな時間はいつですか?」と聞かれて、答えることができますか?もし答えることができなかったり「寝ている時間」などの答えしか出ない場合は、自分の時間が足りていないかもしれません。

本を読んだり、体を動かしたり、何か好きなことに使える時間を作ることで、趣味を持ってみようかという考えにも至れるでしょう。

②新しいことに挑戦する

毎日がマンネリ化してしまっていて、つまらないと感じるのであれば、新しいことに挑戦しましょう。資格を取るでもいいですし、趣味を見つけるでもいいかもしれません。サークルなどに参加して交友関係を広げることもいいでしょう。

腰が上がりにくくなり、思い切って飛び込むことができなくなっているかもしれません。でも、自分でブレーキをかけていたら、いつまで経ってもつまらない毎日は変わらないのです。やると決めたら、すぐ行動することが、新しいことに挑戦するためのコツです。

③副業を始めてみる

仕事を辞めて転職することはハードルが高いかもしれません。でも副業を始めるのであれば、今持っているものを全て捨てる必要がなく、また金銭的な余裕もできるためおすすめです。もちろん、思い切ることができるのであれば、転職を考えることもいいでしょう。

もし何かを始めるのであれば、今やっている仕事とは全然違う仕事がいいかもしれません。前からやってみたかったことや、昔描いていた夢なんかを追いかけてみるのもいいのではないでしょうか。うまくいけば、それを本業にすればいいかもしれません。いくつになって始めても、遅すぎるということはないのです。

④心身の調子を整える

毎日が忙しく、なかなか自分の心身の調子に目を向けることができなくなっているかもしれません。40代だから、毎日だるくても仕方がないとか、イライラしてしまっても仕方がないと諦めていませんか?

栄養バランスについて考えてみたり、お風呂にしっかり浸かったり、適度な運動を取り入れるなど、やれることはたくさんあります。美容に力を入れてみるのもいいかもしれません。美しい年の取り方をする人は、きちんと今の自分と向き合って手をかけている人です。

⑤旧友に会いに行く

ずっと連絡をとっていない旧友に会いに行ってみることも、つまらない状況を抜け出すのに有効です。遠くにいる旧友だと旅行も兼ねられるので、尚いいかもしれません。新しい街へ行くことにワクワクした気持ちを感じるでしょうし、何よりいい刺激になるのではないでしょうか。

思い切って連絡してみたら、相手も喜ぶはずです。最初は腰が上がらないかもしれませんが、予定を組んでしまえば、行くしかないと自分を追い込むことができるでしょう。刺激をもらうことで、つまらないと感じていた毎日への見方が変わるかもしれません。

「毎日つまらない」状況を変える考え方や捉え方のコツ

同じような生活を送っていても、「毎日つまらない」と感じる人もいれば「毎日楽しい」と感じる人もいます。つまらないかどうかは、その人の考え方や捉え方によるところが大きいのではないでしょうか。どんなふうに考えたり捉えたりすると、毎日楽しくなるのでしょうか。

①もう40代ではなく、まだ40代

毎日がつまらない人は、おそらく自分の年齢を「もう40代」と感じているのでしょう。だから、今更何も変わらないし、何も始められないと思ってしまうのではないでしょうか。でも40代になってから新しい仕事を始めて人生が変わった人もいます。70代で大学を受験する人もいます。まだ40代。やろうという気さえあれば、できることはたくさんあるのではないでしょうか。

②つまらないのは安定しているから

毎日つまらないと感じる人は、もっと刺激的で楽しい人生を求めてしまっているのでしょう。でも楽しいこともあれば、そうでもないこともあるのが人生です。毎日がドラマのような人生は、つまらなくはないかもしれませんが、絶対に疲れます。

つまらないということは、それなりに安定していて、落ち着いた気持ちで過ごせるということでしょう。それは裏を返せば幸せなことなのではないでしょうか。そういう目で見てみると、つまらないと感じていた毎日が、幸せな毎日に思えるかもしれません。

③つまらないなら遊びを取り入れればいい

子ども時代、つまらないと思ったら、何か遊びを考えたのではないでしょうか。親に「どこか連れていってほしい」とせがんだ人もいるでしょうし、なんとなく外に出かけていって自転車を乗り回した人もいるでしょう。

大人になっても、つまらないと感じるのであれば、遊びを取り入れればいいのです。大人ですので、子どもの頃よりも行動範囲も広げられますし、できることも増えているでしょう。子ども時代のように、とりあえずつまらないから何か遊んでみようと行動を起こすことは、とても効果的です。

④人生を豊かにするのは自分自身

毎日つまらない、何かいいこと起こらないかな、そんなふうに考えていても、なかなか変化は起こりません。自分の人生を変えて楽しいものにするためには、自分で動くしかないのです。むしろ自分で動き始めたら、どんどん人生は豊かになっていきます。

他力本願な気持ちがあるから、毎日つまらないと感じてしまうのでしょう。あなたにとって、どういう毎日がつまらなくない毎日なのか、書き出してみたらいかがでしょうか。そこが具体的になることで、自分が何をすればいいかがよく見えます。

⑤やりたいことを先延ばしにしない

もう40代だし、なかなか新しいことには挑戦できない、そんなふうに考えてしまい、毎日をつまらないと感じていませんか?思い返してみれば、きっと、やりたいと思うことがいくつかあったりするはずです。

定年したらと考えて、やりたいことをどんどん先延ばしにしている人もいるでしょう。けれども、先のことはわかりません。やりたいことがあるのであれば、先延ばしにするのではなく、今やることが大切です。そうすることで今が楽しいものになっていくでしょう。

まとめ

毎日つまらない、もう40代だし、楽しい時代はもう過ぎ去ってしまったと暗い顔をして過ごしてしまうのは、もったいないです。色々な経験をし、色々な人と出会っていくことで、人生はまだ豊かになる可能性をたくさん秘めています。

そのつまらない毎日を変えるのは、他の誰でもなく、あなた自身ではないでしょうか。若い頃のようには、腰が上がらないかもしれません。けれども思い切って何かひとつでも行動に移してみるといいでしょう。きっととてもスッキリとした気持ちになり、ワクワクすることができるはずです。

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