一緒にいると疲れる人の特徴は?上手に距離を取る対処法を心理士が解説

「この人と一緒にいると、すごく疲れる」と感じた経験はありませんか?一緒にいると疲れる人には共通する特徴があり、また、そうした人々との付き合い方にも工夫が必要です。本記事では、一緒にいると疲れる人の特徴や、その原因と対処法について、心理学的な視点から解説します。さらに、心地よい人間関係を築くためのヒントもご紹介します。

執筆者

臨床心理士・公認心理師

aiirococcoさん

公認心理師、臨床心理士として総合病院に勤めています。小児科外来をはじめ、緩和ケアチームやリエゾンなど幅広い年齢層の方の心理支援を行っています。また、webライターとして主に心理系の記事を執筆中。誰かに相談するほどではないけど困ったな、というときに役立つ情報を発信できるよう頑張ります。

目次

一緒にいると疲れる人がいる原因が「自分にある」場合

一緒にいて疲れると感じる理由は、必ずしも相手だけに問題があるわけではありません。場合によっては、自分自身の考え方や行動が原因となっていることもあります。ここでは、そのような原因を掘り下げてみます。

①みんなと仲良くすべきだと思い込んでいる

一緒にいると疲れる人がいると感じるのは、あなた自身が「みんなと仲良くすべきだと思い込んでいる」からかもしれません。協調性が高く、和を大切にする人は、誰とでも仲良くしようと頑張ってしまいがちです。

また周りにいる人全員が同じように「みんなと仲良くすべき」という考えであれば、さほど疲れを感じることもなく、仲良くすることができるかもしれません。ただ、人によってはそういう考えではない場合もあります。にもかかわらず誰とでも仲良くしようとすると、疲れてしまいやすくなります。

②苦手な人と上手に距離が取れない

あなた自身はできれば距離を取りたいと思っているかもしれません。でも何かしらの都合があって、どうしても距離を取れない場合もあります。家族であったり、仕事上付き合わざるを得ない存在だったりすると、避けようがなかったりするでしょう。そうなると、どうしてもその人と関わる時間が増えてしまい、疲れを感じてしまうのです。

③嫌われたくないという気持ちが強い

相手から嫌われたくないという気持ちがあると、どうしても相手のご機嫌を伺ってしまったり、気を利かせようと頑張ってしまうなど、気を張って関わることになってしまいます。嫌味を言われても言い返せず、ストレスが溜まりますね。リラックスして関わることができないことで、一緒にいると疲れると感じてしまうのです。

「一緒にいると疲れる」と感じる相手によくある特徴

では、相手側の問題はどうでしょうか。あなたの考え方や価値観とは関係なく、周りを疲れさせる人はいるものです。一緒にいると疲れると複数の人が感じるような相手に、よくある特徴を挙げてみましょう。

①不機嫌さが顔に出やすい

感情がすぐに顔に出る人の中でも、不機嫌さを顔に出す人は、一緒にいて疲れると感じやすいのではないでしょうか。嫌そうな顔やつまらなそうな顔、イライラした様子を表に出されると、やはりどうしても気を遣ってしまい、疲れる原因となるでしょう。

②自己主張が激しい

みんなで話し合っている最中に、自己主張をして曲げようとしない人が出てくると、とても雰囲気が悪くなることがあります。それも、話がまとまりかけてから急に反対してきたりされると、深いため息が出てしまいますよね。こういう人も周りを疲れさせてしまいがちです。

③とても気を遣う

気を遣ってくれるので、一見いい人に見えますが、このタイプの人も一緒にいて疲れると感じる人に多い特徴です。一生懸命に気を遣われると、こちらもそうしなければならないように感じられてしまい、気を抜けなくなってしまうのです。それが疲れを感じる原因となる場合があります。

④ネガティブな発言が多い

多少ネガティブなくらいであればいいのですが、口を開けばネガティブ発言ばかりする人も、一緒にいて疲れると感じる人が多いでしょう。元気付けようと声をかけても「でも」とすぐに否定して、聞く耳を持ってくれないと、だんだんイライラしてきてしまい、疲れる原因となるでしょう。

⑤極端に喋るもしくは喋らない

一緒にいて楽しいと感じる人は、きっと会話のテンポがとてもよく、会話のキャッチボールが上手な人ですよね。だからこそ、まるでマシンガンのようにひとりで話し続けてしまう人や、逆に言葉数が少なすぎて会話が広がらない人と一緒にいると、疲れを感じる人が多いでしょう。

一緒にいると疲れる相手への対処法や上手な距離の取り方

一緒にいると疲れる相手がいるとき、どのような対処をすれば疲れを緩和することができるのでしょうか。そういう人への対処方法や、上手な距離の取り方を解説していきます。

①何か用事をつくって離れる

態度や表情に不機嫌さを出してしまう人や、ネガティブな発言を繰り返してしまう人と一緒にいて疲れを感じるときは、何か用事をつくって離れることが大切です。嘘も方便ですので、急用を思い出したフリをして「ごめんね」と謝り、離れれば、相手もあとのことは自分でなんとかするでしょう。

②必要最低限以上は付き合わない

一緒にいて疲れる相手とは、できるだけ関わりを持ちたくないのが本音でしょう。ただ、そうは言っても仕事など関わりを持たなければならない場面は意外とあるものです。仕事だと割り切って必要最低限の付き合いに留めることは大切です。家族の場合は、自分の趣味を見つけて、家の中での接点を減らすことも良い対策となるでしょう。

③自然体を心がける

相手が一生懸命あなたに気を遣ってくれているのに、一緒にいて疲れると感じてしまう時は、あなたが自然体を心がけるといいかもしれません。あなたも一緒になって気を遣ってしまうと、お互いに引くに引けなくなってしまいます。あなたが肩の力を抜いて関わるうちに、相手も肩の力が抜けてきて、付き合いやすくなるかもしれません。

④相手の言う言葉を聞き流す

一緒にいて疲れる人は、心を傷つけるような言葉を平気で口に出す場合があります。あなた自身への批判だったり、誰かの悪口だったり、聞いていて楽しい話ではないことが多いでしょう。そういう言葉は聞いているふりはしつつも、聞き流すということも大切です。耳は傾けつつも心は距離を取る方法です。

⑤なぜ疲れるのかを考えてみる

他の人と一緒にいてもあまり感じない疲れを、その人と一緒にいると感じるのは、どうしてなのかを考えてみるのもいいかもしれません。相手の言動や表情を観察し、こういうところに疲れを感じるのだろうと分析してみるのです、そうやって客観視してみることで、あまり疲れを感じなくなったり、また何かしらの対処方法を思いついたりする場合があります。

心地よい人間関係を築くための考え方のポイント

一緒にいて疲れるのは、あなた自身の考え方や価値観に原因がある場合もあります。心地よい人間関係を築くためには、どういうふうな考え方をすると良いのでしょうか。考え方を変えることで、少し人付き合いが楽になるかもしれません。

①仲良くできない人もいると考える

もし、あなたに「誰とでも仲良くしなければならない」という考えがあるのであれば、それは改めた方がいいかもしれません。世の中には、いろいろな考えや価値観を持った人がいます。他人と仲良くする必要性を感じていない人もいますので、そういう人とも無理して仲良くすることは意味がありません。考え方を少し変えることで、疲れを感じにくくなる場合があるでしょう。

②あなたが苦手に感じる人からは好かれなくてもいい と考える

一緒にいて疲れるということは、あなたはきっとその人のことを少し苦手に感じているのではないでしょうか。つまり、相手のことがそこまで、もしくはまったく好きなわけではない可能性が高いですよね。それなら、相手から好かれる必要もないのではないでしょうか。そう思えば、無理して合わせる必要がなくなり、程よい距離感を取れるようになるかもしれません。

③アサーティブなコミュニケーションを心がける

アサーティブなコミュニケーションとは、自分のことも相手のことも同じように大切にしながら、相手を傷つけないように自己主張もするコミュニケーションのことです。なおドラもんに登場するしずかちゃんが、アサーティブなコミュニケーションを使う人の例として、よく挙げられます。アサーティブなコミュニケーションをするためのトレーニングの本もたくさん出ていますので、興味がある人は一度見てみるといいかもしれません。

まとめ

一緒にいると疲れると感じる人とも付き合っていかなければならないのであれば、できるだけ疲れないように付き合い方を変えたり、自分の考え方を変えたりすることが大切です。無理のある関係は長続きしませんし、トラブルの元となります。

上手に距離をとって程々に仲良くし、あまり深入りしすぎないことが大切ではないでしょうか。お互いにとって良い距離感が、きっとあるはずです。

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