倦怠期の夫婦やカップルの特徴とは?原因や期間、抜け出すための3つの乗り越え方

「倦怠期」が気になった経験はありませんか。最初は胸がドキドキし、相手を想うだけで幸せな気持ちになれたのに、いつの間にかそんな気持ちが消えていっている気がする、という感情が倦怠期です。 倦怠期は多くの夫婦やカップルが経験するステップのひとつです。しかし、倦怠期は必ずしも関係の終わりを意味するものではありません。関係が深まり、よりラブラブな関係に発展させるチャンスともいえるのです。

この記事では、倦怠期の定義から、その特徴、原因、そして乗り越え方まで、幅広く解説していきます。あなたと相手の関係が今どのような状態にあるのか、そしてどのように前に進んでいけばよいのか、一緒に考えていきましょう。

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執筆者

佐々木ゆりさん

公認心理師、臨床発達心理士。保育士歴は20年。現在は療育スタッフとして発達障害を持つお子さんやその家族と関わっています。発達と保育を軸に、直接支援はもちろん、webライター、保育士になりたい人の支援、保育士さん支援など幅広いキャリアを展開中です。

目次

「倦怠期」とは?

倦怠期の「倦怠」という言葉には「疲れてしまって飽きる」「怠ける」という意味があります。二人の関係で使われる「倦怠期」とはどういう状態なのでしょうか。定義はもちろん、気になる別れの関係性についても紹介していきますね。

倦怠期の定義

倦怠期とは一般的に相手に飽きている期間をいいます。倦怠期はよく知られている言葉ですが、医学的や学術的な定義はありません。付き合い始めのような新鮮さがなくなる状態で、相手に対してドキドキしないことから、相手に魅力を感じにくくなっているとされています。この心理的変化については、脳内の神経伝達物質やホルモンの分泌が影響していると言われています。

倦怠期と別れの関係性

様々な経験を二人で重ねた結果、相手にドキドキしないのが倦怠期です。いろいろな経験から、相手にいちいち求めなくても、ある程度相手のことがわかってしまうようになります。わかってしまった結果、「最近、相手に対してときめかなくなった」「前はいろいろ聞いてくれたのに、最近は何も話してくれなくなった」「この人といるよりも違うことがしたい」といった、ややネガティブな気持ちややりとりが生まれるかもしれません。相手に対して今までとは違った感情がうまくクリアされてないと、よりモヤモヤが増えてしまい、別れという選択肢を選んでしまうことが多いようです。

倦怠期の特徴とは?

倦怠期に入ったかどうか、わかる方法はないのでしょうか? 倦怠期の特徴を5つ取り上げてみました。この5つのうち1つでも当てはまれば、もしかすると2人の関係は倦怠期に突入しているのかもしれません。さっそくチェックしてみましょう。

会話が以前よりも減った(変わった)

会話が減った(変わった)理由には、前向きな理由と好ましくない理由があります。

【良い理由の例】

・相手のことが以前よりもわかるようになった。
・相手のことを信頼している。
・お互いにとってちょうど良いやりとりがお互いわかった。

【好ましくない理由の例】

・相手とのやりとりがつまらない。
・相手とのやりとりが楽しくない。
・やりとりそのものが面倒になった。

良い理由であれば、たとえ倦怠期に入ったとしても関係が悪くなりにくいのではないでしょうか。その一方で好ましくない理由の場合、相手自身に魅力を感じていない背景があるので、この先のやりとりは発展しにくいですよね。みなさんのコミュニケーション状態はどちらにあてはまるでしょうか? 

相手を知りたい気持ちが少なくなった

付き合う前や直後に比べて、相手をある程度知ってしまうと、以前に比べて知りたいと思う気持ちが変化している場合があります。相手の行動や考え方がわかってしまうと、相手に対する新鮮さや感動が減るかもしれません。それが結果、相手に飽きた、に結びつくのです。相手を知りたいから付き合い始めたのに、相手を知ったらつまらなくなるなんて、なんだか悲しいものですね。

相手よりもやりたいことを優先している

やりたいことや、しなければならないことが相手とのお付き合いよりも優先されるようになると、倦怠期の可能性があります。時間には限りがありますから、物事の優先順位を変えるのは人間として当たり前のことです。お互いの優先順位について確認ができていればよいのですが、どちらか一方だけが自分のやりたいことばかりになってしまうと、相手は疑問を抱くかもしれません。何事もバランスが大切です。

相手に対してイライラした結果、ケンカが増えた

「倦怠期」とは相手についてある程度わかっている状態です。そういった相手のことはわかっているといった憶測がある分、言葉を選ばずに会話を続けた結果、やりとりが噛み合わずイラっとすることがあります。また、すれ違いは特にケンカに繋がりやすいことでしょう。付き合う前や直後に相手に期待していた部分が相手にないとわかると、より求めてしまうこともあります。今までとは違って「自分にないもの」を求められると、イライラしますよね。このような行動が見られるようになったら、それは倦怠期に入っているのかもしれません。

ときめく回数が減った

人が相手にときめくのは、何か魅力を持っているからです。今までは相手のことを知らなかったため、すべての部分で魅力的に感じていた可能性があります。付き合いが進んでいくと、魅力的に感じていた部分は当たり前となり、より強い魅力を持ち続けることはお互いが努力しないと難しくなります。魅力がない=安心、と前向きにとらえる場合はよいのですが、魅力がない=つまらないといった場合は倦怠期に入っていると考えられます。

倦怠期になる原因とは?

倦怠期に陥る原因は、カップルによってさまざまです。しかし、共通する要因がいくつか存在します。これらの原因を理解することで、倦怠期を予防したり、早期に対処できるかもしれません。ここでは、倦怠期を引き起こす代表的な4つの原因について詳しく見ていきましょう。お互いの関係性を見直すきっかけとして、これらの原因を参考にしてみてください。

お互いの存在にすっかり慣れてしまう

カップルの関係が長続きすると、お互いの存在に慣れてしまうことがあります。これは、倦怠期の主な原因の一つです。最初のうちは、相手とのやりとりにドキドキしていたのに、時間が経つにつれてドキドキが当たり前になってしまうのです。例えば、以前は相手の笑った顔だけで緊張していたのに、今ではそれを何とも思わなくなってしまったり、相手の趣味やクセに対して何も思わなかったのが、いつの間にかマイナスに思い始めたりします。

デートの内容がいつも一緒

同じようなデートを繰り返すのも、倦怠期の原因となります。例えば、毎週末に同じレストランで食事をしたり、いつも決まった場所に行くのは、デートのマンネリ化になりやすいです。最初のうちは、お互いの好みを知り、居心地の良い場所を見つけることが大切だったりします。しかし、デートの内容が固定されてしまうと、環境や状況が似てしまうので相手に対する期待や興奮が薄くなります。結果として、倦怠期に陥りやすくなるのです。

今までと会う頻度が変わった

交際期間が長くなると、仕事や学業、その他の責任が増えて、会う頻度が変化します。これも実は倦怠期の原因です。例えば、以前は毎日のように会っていたのに、今では週に1回しか会えなくなったという場合、お互いの生活リズムにズレが生じやすくなります。逆に、同棲を始めて常に一緒にいる状況になると、個人の時間や空間が失われ、ストレスが溜まることもあります。会う頻度の変化は、コミュニケーションの質や量にも影響を与え、お互いの気持ちのすれ違いを生む可能性があります。

将来への不安や価値観の相違

関係が深まるにつれて、将来についての話題が増えていきますよね? この時、お互いの価値観の違いや将来への不安がより明確になるため、それが倦怠期の原因になるカップルもいます。例えば、結婚観や子育て、キャリアに対する考え方の違いが明らかになったり、経済的な問題や家族との関係など、現実的な課題に直面します。これらの問題に対してよい話し合いができないと、お互いに対する不満や不安が募り、関係性にストレスがかかるためです。将来のビジョンが共有できないと感じると、現在の関係性にも疑問を感じるようになり、倦怠期に陥りやすくなるのですね。

将来の不安については、相手だけの問題ではないかもしれません。一度、将来設計のプロに相談してみてはいかがでしょうか。

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倦怠期になりやすいタイミングや期間とは?

恋愛関係には、時間の経過と共にさまざまな変化が訪れます。その中でも倦怠期は特になりやすい時期があるのをご存知でしょうか。ここでは、多くのカップルが経験する倦怠期の典型的なタイミングや倦怠期の期間についてご紹介していきます。

交際3ヶ月目の壁

付き合った直後のドキドキ感が落ち着くのが交際3ヶ月後といわれています。相手に対してドキドキしない感情を初めて持つので、物足りないと思う、自分が素敵だなと思ったポイント以外(マイナス面)が見えてくると言われているからです。相手への感情が単に刺激的ではないので、それを倦怠期だと感じてしまう人が交際3ヶ月〜半年後に多いのかもしれません。

半年から1年の転換期

交際してから半年から1年が多くのカップルにとって重要な転換期である理由は、二人の将来を考えはじめる時期であるからとされています。この先のイメージがあまりよくないものであれば、同じように過ごすことは難しいかもと思い、倦怠期に突入してしまうのかもしれません。また半年から1年は、誕生日やクリスマスといったカップルにとって大きなイベントを経験した期間とも言えます。「ああ、こんな風に付き合っていくのか」といった見通しを持ってしまった結果、倦怠期に入ってしまうのかもしれませんね。

3年目の岐路

「3年目は別れやすい」は科学的な根拠はないものの、一般的な調査結果としてよく聞かれています。「3年を節目だと思ったことがある」「3年で関係にマンネリを感じる」といったフレーズで、耳にしたことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。多くの人が3年目に危機を感じる理由としては「喧嘩を重ねてきて、解決できないところまできているから」「今後のライフステージでよいイメージを持てないから」などがあります。たしかに3年は短くない時間ですので、倦怠期をより意識しやすい期間と思われます。

倦怠期の平均的な期間

倦怠期の平均的な期間はカップルによって異なることが多いようです。2、3週間続くカップルもいれば、1年以上倦怠期が続く場合もあります。また倦怠期が長くても関係が続くカップルもいれば、倦怠期がないまま別れてしまうカップルもいます。その背景としては、それぞれの性格はもちろん、二人の背景や抱えている問題が他のカップルと同じではないからです。二人の関係も倦怠期も唯一無二なのですね。

倦怠期の乗り越え方

倦怠期から穏やかな関係になるカップルもいれば、そのまま別れを迎えるカップルもいます。「せっかく一緒になれたのだから、うまく倦怠期を乗り越えたい」と思うのは当然です。ここでは倦怠期かもしれないと感じた場合、どのような行動をすればよいか、3つ取り上げてみました。

二人にとって心地よい距離感をさがす

今までと違う感じ方になった二人にとって、新しい距離感を見つけると居心地がよくなる可能性があります。メッセージやデートの回数、座る位置、寝るポジションなど、さまざまな場面で二人の距離があります。一度相手に確認してみるといいでしょう。

相手に伝えるやり方をかえてみる

付き合って最初の頃は、相手のことが知りたくて、常に真剣に聞いていませんでしたか? もしかすると相手もあなたと同じ状況なのかもしれません。これまで全身全力で話を聞いてくれた結果、うまくいっていたとするならば、もう少しお互いがスムーズにできる方法を提案してみるのもいいかもしれません。

【具体的な相手に伝えるやり方】

・デートの約束は候補を絞って伝える(「○日か△日、デートどっちがいい?」)
・返信がほしい時は具体的に伝える(「明日6時までにお返事ください」など)
・文末に感謝の一言を添える(「いつもありがとう」「助かります」など)

具体的なやりとりから新しい行動につながるかもしれませんし、なによりお互いのストレスもたまりにくくなるのではないでしょうか。

二人で新しいことに参加する

今までとは異なる新しいことは、慣れていないために、ドキドキしたり不安になったりしますよね? そういった心理的メカニズムから、活動だけでなく、相手に対して好意を感じることがあります。心理学の世界で「吊り橋効果」と呼ばれる現象を使ったテクニックです。そのドキドキが付き合った当初の気持ちを思い出させてくれるといいですね。

倦怠期にやってはいけないこと

倦怠期かもしれないと思った場合、やってはいけないことは何かあるのでしょうか? 多くの先人たちが書き残してはいますが、人間はひとりひとり違うもの。ここに取り上げているのは、人間関係においてあまり好ましくない基本的な状況であったりします。普段の相手に対する自分の行動を確認してみましょう。

相手の気持ちを試す行為

相手の気持ちは見えないので、自分にわかるように表現してほしいと思う気持ちは当然の感情です。ですが、気持ちを確認しようとして「異性と出かけたら、わたしのことを心配してほしい」「連絡がない場合に、相手から連絡がくるようになってほしい」といった相手を試すような行動は、思いやりではなく自己中心的な行動と見られるかもしれません。素直に「関係をよくしたい」と伝えてみてはいかがでしょうか。

一方的な不満の押し付け

人間関係は調節の連続です。「付き合って最初のころは毎日連絡してくれたのに、今は3日も連絡なしなんて考えられない」「デートの場所を自分が決めてばかりで、自分への思いやりが感じられない」といった自分の気持ちを相手に押し付けるだけでは、あまり効果的とは言えないかもしれません。「わたしはちょっとどうかなと思っているけど、これってわたしだけが感じてることかな?」「もしよかったらデートの場所、今度決めてもらいたいんだけどどうかな?」など相手が答えやすいやりとりができるといいですね。

まとめ

倦怠期は、多くの夫婦やカップルが経験する自然なこととされています。倦怠期は関係の終わりを意味するものではなく、むしろ二人にとって一歩前にいくチャンスです。倦怠期の特徴や原因を理解し、お互いの関係にあった方法を取り入れることは、よりよい関係につながります。

やりとりが減ってしまった、相手にドキドキしなくなった、自分にとっての優先順位が変わってしまった、といったことは倦怠期の始まりかもしれません。しかし、これらは避けられないものではなく、ドキドキする体験をしたり、お互いの気持ちを率直に伝え合ったりすることで、倦怠期を乗り越えられるのではないでしょうか。相手の気持ちを尊重し、一方的な押し付けを避けてみてくださいね。

倦怠期は終わりではなく、新たな始まりのチャンスです。この記事を参考に、あなたの大切な関係をより豊かなものにしていってください。

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