ご飯を食べたいのに胃の調子が悪くて食べられない。ムカムカしたりキリキリ痛んだり。このような胃の不調は痛みそのものもストレスですが、おいしく食べられないことによる精神的ストレスも大きな問題です。
この記事では、胃の痛みの原因や改善策について細かく解説していきます。
まりこさん
教育×産業の2つの領域で経験を積んだハイブリッドなカウンセラー。
教育領域では保育園・幼稚園・小学校・中学校などあらゆる現場を経験。
現在は私立小学校の教育相談スーパーバイザーを務める。
産業領域では、セルフケア・ラインケア・ハラスメントなど、メンタルヘルス系の研修講師を務める。
カウンセリングオフィスkahunaを運営。
食事をすると胃が痛くなる…その原因は?
ご飯を食べると胃が痛む原因は主に4つ考えられます。食事中に傷むのか食後に傷むのか、具体的な症状も確認しながら原因を見極めていきましょう。
原因1:暴飲暴食で胃が荒れている
ここ日間の食事内容を思い出してみてください。飲すぎ、食べすぎなど、食べる量に問題はあ^_^りせんでしたか?また、長時間食事を抜いていたり、そうかと思えまば急に大量のご飯を食べたりなど、食べるリズムが大きく乱れてはいませんで_したか?
食事内容はどうでしたか?脂っこい食事が続いた、激辛などの刺激物を食べたなど、胃もたれするよう😂なメニューばかりではありませんでしたか?
食べる量・リズム・内容の大きな乱れは胃酸の過剰分泌を招き、胃粘膜に炎症が起きてしまった可能性が考えられます。主な症状は、胃の不快感、吐き気、食欲不振などです。
原因2:ストレスで胃が弱っている
精神的ストレスが過剰にかかったことで、胃に不調が現れることがあります。ストレスは胃酸の分泌を増加させるだけでなく、胃の筋肉を緊張させたり、消化機能を低下させたりもします。
ストレスによって胃が弱っている時の主な症状は、キリキリとした胃の痛み、消化不良による食後の胃もたれ、食欲不振、吐き気などです。
原因3:ピロリ菌の影響で胃が傷んでいる
ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は、胃の粘膜に感染する細菌です。ピロリ菌は不衛生な水や食べ物から感染することがあります。ただ、衛生環境が整っている日本では、主に親から子への経口感染や家庭内感染が一般的とのこと。
ピロリ菌は一度感染すると胃の粘膜に定着し、胃の粘膜を傷つけます。主な症状は、食後の強い胃痛や慢性的な胃の不快感です。放置するとただの胃炎ではなく胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんなどより重い病気のリスクが上がるので、早めに医療機関を受診して検査、除菌をしましょう。
原因4:食中毒で胃が防衛反応を起こしている
食中毒は、食品に付着した細菌・ウイルス・寄生虫などを知らずに摂取することで体にさまざまな不調が現れます。胃の症状以外にも、発熱や下痢などが起こり、体全体に不調が表れるのが特徴。体が菌と戦っているからこそ起こる症状でもあります。
胃の症状は特に深刻で、強い胃痛、吐き気、嘔吐、胃の不快感が続きます。原因となる細菌やウイルスの種類やその時の免疫力によっては、症状が長引き重症化する可能性もあるので注意が必要です。
胃痛の原因かもしれない病気とは?
胃痛にはどのような病気が隠れている場合があるのか、病名ごとに見ていきましょう。
病気1:急性胃炎
急性胃炎とは、急激に胃の粘膜に炎症が起こった状態。みぞおちがキリキリと痛み、嘔吐だけでなく、水っぽい下痢が出ることも。高熱が出る場合もあるそうです。
≪原因≫
ストレスやピロリ菌などに長く胃を痛めつけられていた結果として起きている可能性が一つ。それ以外にも、過剰なアルコール摂取で胃が刺激されて起こるケースや、薬の飲みすぎなどの薬剤によって起こるケースもあるようです。
≪治療≫
胃炎の治療は胃の安静を保つことが第一優先です。アルコールの摂取を控えたり、体に負担が出るほどのストレスは除去したりなど、胃のケアのためにできることはなんでもしましょう。症状によっては点滴や胃粘膜保護剤が使われることもあるそうなので、自己判断せず医療機関を受診することも大切です。
病気2:慢性胃炎
慢性胃炎も胃の粘膜に炎症が起こった状態ですが、急性胃炎との違いは、既に長期間に渡って繰り返し炎症が生じていること。
≪原因≫
主な原因はピロリ菌です。慢性的に胃が重たい感覚や腹部の張りを感じることが増えます。
≪治療≫
比較的早く回復する急性胃炎と異なり、慢性胃炎は胃の粘膜が破壊されているため治療期間も長引きがち. す。胃を安静に保ちつつも、気になる症状が続く場合は放置せずできるだけ早く医療機関で検査を受け、薬物療法も検討しましょう。
病気3:逆流性食道炎
逆流性食道炎は、本来は胃にとどまるはずの胃酸や胃の中の物が食道に逆流してくることで、食道が傷つき炎症を起こす病気。主な症状は、胸やけ、胃がムカムカする、酸っぱい液体が口の中に上がる、のどの違和感など。胃だけでなく喉や食道に症状が現れるのが特徴。
≪原因≫
食道と胃の間の筋肉の機能低下や、姿勢の悪さ、肥満などが主な原因ですが、ストレスや暴飲暴食の影響を受けることも。
≪治療≫
医療機関で薬物療法を受けることもできますが、食事内容や食後の姿勢の見直し・体重管理といった生活習慣の改善でケアできることもあります。
病気4:機能性ディスペプシア
機能性ディスペプシアとは、胃の不快感が続いているけれど、検査をしても明らかな異常が見当たらない状態。よくある症状としては、胸やけや胃もたれ、吐き気などに加え、げっぷが頻繁に出ることもあるようです。
≪原因≫
はっきりと解明されていませんが、ストレスの影響や胃の運動機能が低下していることが関係すると言われています。
≪治療≫
他の胃の病気と同じように、薬を使ったケアに加え、生活習慣や食生活を見直すことで症状が緩和される可能性があります。
病気5:胃潰瘍・十二指腸潰瘍(いかいよう・じゅうにしちょうかいよう)
胃潰瘍は胃の粘膜が胃酸によって傷つけられた結果、粘膜の更に下部の組織が傷つく「潰瘍」が形成される病気。十二指腸潰瘍は、胃と小腸の間にある十二指腸に潰瘍が形成される病気。空腹時の胃の痛み、吐き気や嘔吐に加え、便に血が混じるケースも。
≪原因≫
どちらも原因はピロリ菌の感染や薬剤の使用が影響します。
≪治療≫
潰瘍に対しては薬物療法が基本となります。出血が止まらないなど重症ケースは手術が必要になることも。早期発見、早期治療が肝心です。
病気6:胃粘膜下腫瘍(いねんまくかしゅよう)
胃粘膜下腫瘍は、その名の通り胃の粘膜のさらに下の層に腫瘍が発生する病気です。腫瘍とは異常な細胞が増殖して腫れた状態のことで、良性の場合と悪性の場合があります。主な症状は胃痛や胃の不快感ですが、悪化すると吐血する場合もあります。
≪原因≫
なぜ腫瘍ができるのか、その原因は不明な場合が多いのですが、中には遺伝子の異常や寄生虫の影響が指摘されるケースも。
≪治療≫
良性腫瘍の場合は経過観察にとどまることが多いですが、悪性腫瘍の場合は内視鏡を使って切除するのが一般的です。他にも、化学療法や放射線療法などの治療法も検討されます。いずれにせよ、初期で腫瘍を発見するためにも定期的な健康診断を受けることが大切です。
病気7:胃がん
胃がんは悪性腫瘍の一種で、胃で細胞が異常に増殖すること。胃がんの主な症状は、食後の胃もたれ、吐き気や嘔吐。また、食欲がなくなり体重が急激に減少するケースも見られます。
≪原因≫
胃がんのリスクを高めるのは、ピロリ菌に感染しているケース、高塩分食など暴飲暴食で胃粘膜を傷つけるケースなどが挙げられます。他にも、喫煙による高リスク化や、胃がん歴のある家族からの遺伝的要因も指摘されています。
≪治療≫
治療法は内視鏡を使ったがんの切除、胃の摘出、薬物療法、放射線治療などさまざまで、患者の状態やがんの進行度に合わせて決まります。
胃が痛くなる症状を改善するには
胃痛の症状の改善、胃の健康維持増進のためにできることをまとめました。
改善策1:食生活を改善する
胃の不調は食生活の影響を大きく受けています。胃に痛みや不快感が現れたらまず胃に優しい食事内容を心がけ、胃を休ませてあげるよう心がけてください。
消化が良く胃への負担が少ない「おかゆ」「豆腐」「卵」など、胃に優しい食べ物がおすすめです。胃を温めてくれる「白湯」、胃粘膜を保護する「牛乳」といった胃に優しい飲み物も効果的。逆に、消化に時間がかかり胃に負担となる「脂っこいもの」「辛い物」「アルコール」「カフェイン」などは極力避けた方がよいでしょう。
食事内容だけでなく、よく噛むこと、規則正しいリズムで食べることなども意識すると、胃酸が過剰に分泌されることが減り、胃への負担を和らげることができるでしょう。
改善策2:生活習慣を改善する
胃は精神的ストレスの影響を受けやすい臓器。そのため、ストレスケアをすることが胃痛の緩和にもプラスになります。リラックスできる時間を増やして十分睡眠をとり、胃に負担がかからない生活習慣を心がけましょう。
激しすぎない適度な運動を取り入れることは、消化機能の改善に役立ちます。タバコは胃酸分泌を促進するため、胃痛があるうちはなるべく禁煙するようにしましょう。
改善策3:医師に相談する
自力で改善するのが難しく胃痛やその他の胃の症状が続く場合は、迷わず病院を受診しましょう。内科もしくは消化器内科を受診すると、専門医が的確に診察してくれます。主な検査方法は「内視鏡検査(胃カメラ)」や「超音波検査(腹部エコー検査)」です。胃の違和感の原因を特定し、適切な治療法を見つけてもらいましょう。
まとめ
胃痛は何か1つが原因で起こるというよりも、乱れた食生活やストレス、遺伝的要素など幅広い要因が絡み合って起きている場合もあります。自分で生活習慣に気を配ることももちろん大切ですが、長引く胃痛に悩んでいるのであれば、速やかに病院で検査を受け、原因を特定し適切な治療を受けましょう。
<参考サイト>
・メディカルノート/「胃・十二指腸」に関わる病気リスト | メディカルノート (medicalnote.jp)
・エスエス製薬「胃痛の対処法」/胃痛の原因と対策|対策編|胃痛の対処法|ガストール【エスエス製薬】(ssp.co.jp)