「また夫(妻)が親に夫婦喧嘩を報告している…」
夫婦喧嘩のたびに配偶者が親へ相談する姿を見て、モヤモヤしていませんか。「こっちが悪者にされているみたい」「でもこれって普通のことなの?」という不安や疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、心理カウンセラーの筆者の視点から「夫婦喧嘩を親に相談する理由」を解説し、適切な対処法を見つけるための方法をご紹介します。
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梅田ミズキさん
認定心理士、サービス介助士。大学で臨床心理学・産業組織心理学・発達心理学などを学び、卒業後は公的施設にて精神疾患の方のケアや介助業務、ご家族の相談対応などに従事しながら、ホームページ掲載用のコラムやミニ新聞を執筆。現在はフリーライターとして独立し、くらしにまつわるエッセイの執筆、臨床心理・発達支援・療育関連のコンテンツ制作および書籍編集に携わりながら、心理カウンセラーも務めている。趣味は読書、映画鑑賞、気まぐれで向かうプチ旅行。
夫婦喧嘩を相談するのはよくあること?
夫婦喧嘩を親に相談したことがある人はいるのか?を悩ミカタ相談室で調査してみました。
SNS上では、夫婦喧嘩を親に相談することに否定的な意見が多く見られます。実際、カウンセリングの現場でも「親に相談されて傷ついた」という声は少なくありません。
配偶者が夫婦喧嘩を親に相談する理由
「そもそも、どうして第三者の親に夫婦の問題を相談するの?」と感じてしまう方もいらっしゃいますよね。ここでは、配偶者が夫婦喧嘩を親に相談する心理的要因を3つ解説します。
- 関係が深刻化して一人では対処できないため
- 身近で信頼できる相談相手が欲しいため
- 冷静さを取り戻したいため
関係が深刻化して一人では対処できないため
夫婦喧嘩が深刻化すると、感情的になりすぎて客観的な視点を失い、問題の本質が見えなくなってしまう場合があります。
当事者同士で冷静な判断ができない状態では、配偶者は「第三者の意見が欲しい」と感じます。特に親は、長年の人生経験から適切なアドバイスをくれる存在として頼りやすいのです。
配偶者にとって親に相談することは「問題解決のための手段」で、あなたを貶めようとしているわけではない場合が多いでしょう。
身近で信頼できる相談相手が欲しいため
配偶者が親に相談する大きな理由として、絶対的な信頼関係が挙げられます。親は幼少期から自分を見守ってくれた存在で「どんな状況でも味方してくれる」という安心感があるためです。
夫婦喧嘩で傷ついたり不安を感じたりした際、誰でも感情的なサポートが欲しいものです。「自分の気持ちを理解してほしい」「共感してほしい」という欲求が、親への相談につながるといえます。
冷静さを取り戻したいため
夫婦喧嘩では感情が高ぶり、理性的な判断が難しくなります。怒りや悲しみ、不安などの感情に支配され、建設的な話し合いができない状態になるのも珍しくありません。
このような際、配偶者は親に気持ちを話して整理し、冷静さを取り戻そうとしています。話を聞いてもらうと感情が落ち着き、状況を客観的に見られるようになる方も多いでしょう。
親との会話を通じて「自分の言動に問題はなかったか」と振り返るきっかけにもなります。
夫婦喧嘩を親に相談するメリット
「ややこしくなるだけ」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、夫婦喧嘩を親に相談して、関係の改善が見込める場合もあります。ここでは、夫婦喧嘩を親に相談する主なメリットを3つ紹介します。
家族ならではの具体的なアドバイスが得られる
親は配偶者の性格や価値観を幼少期から知っているため、親としての経験に基づいたアドバイスができる立場にあります。「うちの子はこう考える傾向がある」などといった助言は、他の相談相手では得られない貴重なものです。
また、親自身も夫婦生活の経験者であるため、実践的な解決策を提案してくれる可能性があります。長年の人生経験から「こういうときはこうするといい」と具体的なアドバイスが得られやすいのもメリットです。
「味方がいる」という安心感が得られる
夫婦喧嘩で孤独を感じると、親からの絶対的な支持は大きな支えになります。「自分は一人じゃない」「理解してくれる人がいる」という安心感は、ストレスを大きく軽減してくれるものです。
この安心感で配偶者は精神的に安定し、冷静に問題と向き合えるようになる場合があります。感情的になりすぎずに解決策を考える余裕が生まれるのです。
関係修復のきっかけになる
客観的で公平な視点を持つ親なら、夫婦双方の気持ちを理解し、仲裁役になってくれるかもしれません。実際、親からの「お互いの立場を理解してみなさい」という助言が、関係修復のきっかけになったケースもあります。
特に感情的になって話し合いができない場合、親という第三者が入ると冷静な対話の場が生まれることがあります。親が両者の話を聞いて気持ちを代弁してくれると、お互いの理解が深まるのもメリットでしょう。
夫婦喧嘩を親に相談するデメリット
一方で、親に相談することには無視できないデメリットも存在します。ここでは、夫婦喧嘩を親に相談する主なデメリットを3つ解説します。
- 配偶者との信頼関係に悪影響が出る可能性がある
- 義両親との関係が悪化するリスクがある
- 偏った情報や感情的な判断が解決の妨げになる場合がある
配偶者との信頼関係に悪影響が出る可能性がある
夫婦の問題は、本来「二人だけの秘密」として共有されるべきものです。それを配偶者の了解なく親に話すと、プライバシーの侵害と受け取られる可能性があります。
「夫婦の問題を勝手に外部に漏らされた裏切り感」は、信頼関係に大きな亀裂を生むものです。「この人は何でも親に話してしまう」という不信感が生まれると、本音で話すことをためらうようになり、夫婦間のコミュニケーションがさらに悪化するリスクがあります。
義両親との関係が悪化するリスクがある
配偶者が親に相談する際、感情的になって一方的な情報を伝えてしまうことがあります。
例えば「妻が家事をしてくれない」と訴えた場合、実際には妻が育児と仕事で疲弊している背景があっても、親には伝わりません。その結果「息子(娘)をいじめている」という否定的な印象を持たれてしまいます。
義両親との関係悪化を防ぐには、配偶者が親に相談した後、できれば直接会って誤解を解くことです。感情的にならず、冷静に事実を伝えましょう。
偏った情報や感情的な判断が解決の妨げになる場合がある
配偶者が親に相談する際、どうしても主観的で感情的な報告になりがちです。「相手が全部悪い」「自分は何も悪くない」など一方的な情報しか親に伝わらないと、親は正確な判断ができません。
その結果、親からのアドバイスも偏りがちになり、問題の本質的な解決にはつながりません。特に「わが子を助けたい」との親心から、配偶者を一方的に擁護する場合もあります。
このような偏ったアドバイスを受けた配偶者は、問題解決への姿勢がさらに硬化してしまいます。
【体験談】夫婦喧嘩で配偶者が親を巻き込むことで起きたこと
「自分と同じ状況の人の話が聞きたい」と思う方もいらっしゃるでしょう。ここでは、実際に配偶者が親を巻き込んだという方の事例を2つ紹介します。
体験談1:親のアドバイスで関係が修復できた
【状況】
- 結婚2年目、夫の転職時期を巡って大喧嘩
- 私は安定を求め、夫はチャレンジしたい気持ちが強かった
- 1週間も口を利かない状態が続いた
【夫が義父に相談した結果】
義父から「お互いの気持ちを聞いてみなさい」と冷静なアドバイスをもらったうえで「息子の気持ちも理解してほしいが、あなたの不安も当然だ」と両方の立場を理解してくれました。
義父が仲裁役となり、冷静に話し合える場を作ってくれたおかげでお互いの本音を伝えられ、転職の条件や時期について具体的な計画を立てられました。

親が中立的な立場を保ち、双方の気持ちを尊重した理想的な例です。第三者の介入が効果的なのは、感情的になりすぎて対話が困難なとき。ただし、すべての問題を親に頼るのではなく、夫婦で解決する力を育てるのも大切です。
体験談2:親に相談されて信頼関係が崩壊
【状況】
- 結婚4年目、夫の飲み会の頻度を巡って喧嘩
- 私は家庭を優先してほしいと思っていた
- 夫は「束縛されている」と感じていた
【夫が義母に相談した結果】
義母から突然電話がかかってきて「息子を縛りすぎ」「男性には息抜きが必要」と一方的に責められました。夫が私の悪口を言っていると判明し、ショックを受けました。
【その後の展開】
- 夫に「なぜ親に言ったの?」と問い詰めても「愚痴を言っただけ」と軽く扱われた
- 夫への信頼が完全に失われ、何を話しても「また親に言うのでは」という疑心暗鬼が生まれた
夫婦間の本音の会話ができなくなり、義母とも関係がギクシャクしたまま現在に至ります。

配偶者の了解なく一方的に親に相談すると、このような信頼の崩壊が起こります。特に親がわが子を擁護しすぎると、問題が複雑化します。このような状況では、夫婦カウンセラーなど中立的な専門家への相談がおすすめです。
夫婦喧嘩は親以外に誰へ相談したらいい?
夫婦喧嘩を相談する場所の選択肢は、親以外にも複数あります。それぞれの特徴を理解し、状況に応じて適切な相談先を選びましょう。
信頼できる友人
身近で気軽に相談できるのが、信頼できる友人です。同世代の視点からアドバイスをもらえたり共感してもらえたりすると、気持ちが楽になる場合があります。
一方で、友人は専門家ではないため、偏った意見になりがちな点は注意が必要です。また、あまりにも頻繁に相談すると、友人の負担になる可能性があります。
また、守秘義務の意識がある信頼できる友人を選び、具体的な個人情報は伏せるなどの配慮も大切です。
公的な相談窓口
自治体の家庭相談窓口や男女共同参画センターなどでは、無料で夫婦問題の相談を受け付けています。予約がやや取りにくい場合もありますが、専門的な知識を持った相談員が対応してくれるため、客観的な意見が聞けるでしょう。
また、法律的な問題が絡む場合は、無料の法律相談も利用できます。離婚を視野に入れている場合などは、早めに専門家に相談するのがおすすめです。
公的機関は守秘義務が徹底されているため、プライバシーの面でも安心といえます。
夫婦カウンセラー
夫婦カウンセラーへ相談すると、心理学や夫婦関係の専門知識に基づいた的確なアドバイスを受けられます。費用はかかるものの、中立的な立場から夫婦双方の話を聞いてくれ、コミュニケーションの改善方法や具体的な問題解決のステップを提案してもらえる心強い手段です。
ただし、DVやモラハラがある場合は、弁護士や警察、配偶者暴力相談支援センターへの相談を優先してください。
「悩ミカタ」では、公認心理師など国家資格を保有する経験豊富な専門家が、夫婦の悩みに寄り添いながら根本的な解決をサポートします。つらくて不安な気持ち、1人で抱え込まずにまずはお気軽に相談してみませんか?
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よくある質問
ここでは、夫婦喧嘩の相談に関してよくある質問にお答えします。
夫婦喧嘩はよくあること?


参考:夫婦喧嘩ってしますか?原因は!?仲直りの秘訣ってある?既婚者に聞いてみた|PR TIMES
夫婦喧嘩は、決して珍しいことではありません。ノマドマーケティング株式会社が実施した「現在のパートナーと夫婦喧嘩はしますか?」というアンケートでは、男女共に約6割が「夫婦喧嘩をする」と回答しています。
女性はどの年代も約6割ほどでしたが、男性は40代が7割と多いようです。
夫婦喧嘩はどこに相談すればよいですか?
夫婦喧嘩の相談先は、状況や目的によって選ぶのが大切です。
- 感情的なサポートが欲しい:信頼できる友人、親
- 無料で専門的な意見を聞きたい:自治体の家庭相談窓口、男女共同参画センター
- 根本的な夫婦関係の改善を目指したい:夫婦カウンセラー
- 法律的な問題を相談したい:弁護士、法テラス
- DVやモラハラを相談したい:配偶者暴力相談支援センター、警察
まずは「何を解決したいのか」を明確にしたうえで、適した相談先を選びましょう。
夫婦喧嘩を親に相談するべきタイミングはある?
親に相談するべきタイミングには、いくつかの判断基準があります。
【相談が有効な場面】
- 夫婦だけの話し合いでは進展しない
- 感情的になりすぎて冷静な判断ができない
- 第三者の客観的な意見が必要
- 離婚を考えているが判断に迷っている
- 配偶者の了解を得たうえで問題を共有したい など
【相談を避けるべき状況】
- 些細な喧嘩や感情が高ぶっている
- 配偶者のプライバシーに深く関わる
- 親が過度に感情的になりやすい など
いずれにしても、大切なのは「まず夫婦で話し合う」ことといえます。
夫婦喧嘩を親に相談する際は配偶者への配慮を忘れずに
夫婦喧嘩は、適切な流れで親に相談すれば、問題解決の助けになる場合もあります。ただし、一方的に親に報告するのは、信頼関係の破綻や義理の家族関係の悪化につながる可能性も否定できません。
現在、配偶者が親へ相談することにモヤモヤしているなら「まずは二人の問題として解決したい」という気持ちを、配偶者へ冷静に伝えるのが重要です。根本的な夫婦間のコミュニケーション問題を解決したいと感じたら、専門的なサポートも検討してみてください。
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